「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは隔週木曜に掲載されます。

2026年10月15日

アウティングに注意を

▼Q 仲間内で恋愛の話になると口ごもる友人がいます。先日、同性愛者だと打ち明けられました。私から仲間に説明した方がよいでしょうか。

▼A 説明するのは待ってください。同性愛は多様な性的指向の一つで、個人の自由です。本人の重要なプライバシー情報でもあります。

本来あってはならないことですが、同性愛者などの性的少数者は、現在もさまざまな場面で差別や誹謗(ひぼう)中傷にさらされています。意図せずに性的指向を知られることは、性的少数者に耐えがたい恐怖や苦痛を与える恐れがあります。

2015年には、性的指向を暴露された一橋大大学院の学生が心身の調子を崩し、その後転落死する痛ましい事件がありました。本人の了解を得ずに性的指向を第三者に暴露することを「アウティング」と言います。アウティングは命に関わる問題なのです。一度流出した情報は消せません。取り返しのつかない事態になることを意識してください。

性的指向を明かすかどうかを決められるのは本人だけです。一方で、友人を思うあなたの気持ちも大切なので、どうしたいのかを、友人と話してみてはいかがでしょうか。

今月17、18日、福岡市の天神中央公園で「九州レインボープライド」が開かれます。性的少数者への理解を深め、誰もが自分らしく生きられる社会を目指す啓発イベント。ステージや出店も楽しめます。県弁護士会も参加します。「九州レインボープライド」でネット検索してください。

西日本新聞 10月15日分掲載(石井謙一)

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