「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2023年5月24日

リフォームで追加代金を請求された

▼Q 自宅の風呂場をリフォームしましたが、業者から当初の契約金額以上の代金を請求されました。追加工事をしたからだというのですが、請求どおりに支払わなければならないのでしょうか。

▼A 仮に追加工事があったとしても、了承していないなら、追加工事代金を支払う義務はありません。ただし、リフォームでは、途中で工事の内容が変更になったり、追加の工事が必要になったりすることがよくあります。それらもサービスの範囲だろうと安易に了承したら、高額な代金を請求されてトラブルとなるケースがよくあります。

リフォーム工事をするときは、見積書や契約書をしっかり読んで、工事内容や代金などをよく確認しましょう。途中で工事内容が変更されたり、追加工事が必要になったりした場合は、その都度契約書を取り交わしてください。このときも内容をきちんと確認しましょう。

リフォームに関しては、代金以外にも、工事の遅れ、不備などさまざまなトラブルがあります。解決には法律と建築双方の専門知識が必要になるため、全国各地の弁護士会では、弁護士と建築士が一緒に行う無料の対面相談を実施しています。

また、依頼した工事にリフォーム瑕疵(かし)保険が付いているか確認してください。この保険は工事の不備に対する金銭補償の保険で、トラブルの際に住宅紛争審査会の「紛争解決手続」を申し込めます。弁護士や建築士などが事案を担当し、裁判より簡単で早い解決が期待できます。相談や紛争解決手続の申し込みは「住まいるダイヤル」=(0570)016100=まで。

西日本新聞 5月24日分掲載(河浦龍太)

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