「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2023年1月18日

少年審判 被害者側は参加できる?

▼Q 妻がひき逃げに遭い、亡くなりました。加害者は18歳の少年でした。私は遺族として裁判を最後まで傍聴しようと思っています。しかし、成人とは異なり公開の法廷で裁判が開かれるわけではないと聞きました。加害者がどのような処分を受けるのか、遺族は見届けることができないのでしょうか。

▼A 20歳未満の少年事件の場合、原則として公開の法廷で裁かれません。家庭裁判所で開かれる非公開の審判で、処分が決まります。以前は被害者や遺族であっても審判を傍聴したり意見陳述したりといった参加はできませんでした。

しかし、被害者が全く関与できないのは問題があるとして2008年に少年法が改正されました。重大な事件については、被害者やその親族が審判を傍聴できるようになったのです。また重大事件に限らず、以下のことが認められました。

(1) 事件記録の閲覧・コピー

被害について損害賠償請求を予定しているなど、正当な理由がある場合に、事件記録の犯罪事実に関する部分を閲覧・コピーできます。

(2) 被害者の意見陳述

被害者としての気持ちや事件への思いを述べることができます。

(3) 審判状況の説明・審判結果などの通知

裁判所に対し、途中経過の説明を求めることができます。処分結果などについて通知も受けられます。

いずれも被害者から裁判所への申し出が必要です。ただそれぞれ条件があり、必ず認められるとは限りません。弁護士に相談し、場合によっては被害者側の代理人として参加してもらうことをお勧めします。

西日本新聞 1月18日分掲載(柿木翼)

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