「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2019年7月3日

ロースクールって何するの

▼Q 子どもがロースクールに行きたいと言っていますが、どんなことを学ぶのですか。

▼A ロースクールは法科大学院ともいわれ、法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)に必要な学識や能力を培うことを目的とする教育機関です。法曹三者になるには、司法試験に合格しなければなりませんが、誰でも受験できるわけではありません。ロースクール修了者と、司法試験予備試験合格者だけが受験資格を得られます。

ロースクールは、法学既修者コース(2年制)と法学未修者コース(3年制)に分けられます。いずれも法律知識を学ぶだけでなく、「意見や利益が衝突する場面でどのように問題解決を図るべきか」という法的思考を身に付ける訓練をします。事実関係を整理し、事実をいかに評価し、説得力ある妥当な結論へ導くかを教員と学生、あるいは学生同士で議論を交わします。

福岡県弁護士会北九州部会は、そうした法的思考を中高生に体験してもらう「ジュニアロースクール北九州」を8月21日に開きます。福岡地裁小倉支部の本物の法廷で、殺人事件の模擬裁判を行い、証人や被告が述べたことや、検察官や弁護士が提出した証拠を基に、被告を有罪にすべきか無罪にすべきかをみんなで考えます。さらにその結論に至った理由を共有し、どちらの結論がより説得力があるかを話し合います。

将来、法曹の世界に進みたい、そのためにロースクールへ進学を、と考えている中高生はぜひご参加ください。

西日本新聞 7月3日分掲載(見越あけみ)

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