「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2018年12月5日

保護家庭の子の大学進学

▼Q 福岡市で18歳の高校生の息子と暮らしている45歳です。母子家庭で生活保護を受けています。息子が大学進学を希望していますが、生活はどう変わりますか。

▼A 息子さんが大学に進学すると、あなたと息子さんがそのまま同居を続けたとしても、別世帯として扱われます。あなたは1人世帯として生活保護を利用し、息子さんは奨学金やアルバイトで学費や生活費を賄うことになります。

生活保護費は世帯ごとに支給され、支給額はお住まいの地域、世帯の人数や年齢などに基づき決定されます。息子さんの大学進学によって、支給される生活保護費は大きく変わることになります。

現在あなたの世帯には毎月、生活費として支給される生活扶助費約13万7千円(母子加算を含む)と、家賃相当額として上限4万3千円の住宅扶助費が支給されていると思います。息子さんが大学に進学し、1人世帯として扱われると、あなたに支給される生活扶助費は約7万5千円になります。以前は住宅扶助費も1人世帯の上限3万6千円に減額されていましたが、本年度から、息子さんと同居を続けるのであれば減額されなくなりました。

また、6月の生活保護法改正で、息子さんには新生活の立ち上げ費用として進学準備給付金10万円(親元を離れる場合は30万円)が支給されるようになりました。

18日に日本弁護士連合会が「全国一斉生活保護ホットライン」を行います。午前10時~午後10時にフリーダイヤル(0120)158794で相談を受け付けます。

西日本新聞 12月5日分掲載(眞鍋彰啓)

※このイベントは終了しました

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