「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2019年4月10日

18歳から大人 どう変わる?

▼Q もうすぐ18歳から大人扱いされるようになると聞きました。どんな影響がありますか。

▼A 昨年の通常国会で民法が一部改正され、成年年齢(成人する年齢)が20歳から18歳に引き下げられることになりました。2022年4月1日に施行されます。

未成年者は、基本的に自分一人で契約などをすることができず、親権者の同意が必要です。親権者の同意がない契約などは取り消すことができます。また未成年者は民法で「父母の親権に服すること」とされています。

22年4月以降は、18歳や19歳も、携帯電話の契約やアパートの賃貸借契約などを自分でできるようになります。ローンやクレジットカードの契約もできるようになるため、安易な借り入れには注意が必要です。また18歳から親権に服さなくなるので、住む場所や進学や就職などの進路を自分の意思で決められるようになります。

ただ、必ずしも一律に年齢要件が引き下げられるわけではありません。個別の法律の趣旨に基づき、20歳の年齢要件が維持されているものもあります。例えば飲酒や喫煙については、健康被害の防止や非行防止の観点から、また競馬、競輪、競艇、オートレースなどの投票券の購入についても青少年保護などの観点から、いずれも20歳の年齢要件は維持されることになっています。

その他、養親として養子縁組をすることができる年齢や、国民年金の被保険者の資格なども20歳以上との要件が維持されます。

西日本新聞 4月10日分掲載(眞子幸人)

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