「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2019年12月18日

フリマアプリで偽物つかまされた

▼Q フリーマーケットアプリでブランド物のネックレスを購入したつもりが、偽物でした。お金は返してもらえるのでしょうか。

▼A まずサービスの運営会社に連絡しましょう。サービスの仕組み上、買い主が出品者(売り主)の評価をするまで運営会社が代金を預かるようにしている場合(代金仲介制度)、評価前であれば取引をキャンセルして返金や補償を受けられる可能性があります。

評価済みの場合、出品者が特定商取引法の販売業者に当たるとき(ブランド品を多数出品している場合は該当する可能性があります)は、説明に「返品不可」などと明示されていなければ、商品受け取りから8日以内は買い主の送料負担で契約を解除できます。

また詐欺を理由にした取り消しや、錯誤(食い違い)による無効を主張し、返金を受ける方法が考えられます。ただし詐欺は売り主が偽物と知っていたことを立証する必要があり、大変困難です。錯誤も、価格があまりにも安いと、模倣品と気付けたのではないかという買い主の「重過失」を理由に認められない可能性もあります。

フリマアプリでは売買契約自体は個人間の取引となり、リスクを伴います。偽物被害に遭わないためには、出品者の取引状況や評価、商品価格と相場との乖離(かいり)、返品に関する記載、運営会社の補償サービスや代金仲介制度の有無とその内容を確認し、慎重に決めることです。また万一の場合に備え、購入時のサイト画面上の検索条件、写真、文言、取引時のやりとりなどを印刷しておきましょう。商品到着後、出品者の評価をする前に、すぐに本物かどうか確認をしてください。

西日本新聞 12月18日分掲載(福田康亮)

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