「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2016年6月15日

浮気した側の離婚請求不可

▼Q 浮気をしている夫から離婚しようと言われました。私は離婚に応じなければなりませんか。

▼A 民法には離婚原因として不貞行為をしたことが挙げられていますが、これは不貞行為をされた側(あなた)が離婚を請求できるという意味です。不貞行為をした側(夫)からの離婚請求は原則として認められません。離婚するかしないかは、あなた次第です。

後に、夫が不貞行為はなかったと主張する可能性もあります。メール、領収書、手紙、写真などの不貞行為の証拠をコピーしたり、写真に撮ったりして保存しておいてください。また、夫が「もともと夫婦仲が悪かったから、今回の不貞行為が離婚の原因ではない」と言ってくることも考えられます。夫婦間のメール、夫婦で一緒に行った旅行の写真など、夫婦として通常の生活を送っていた証拠があれば、保存しておいてください。

夫と別居した後の生活の見通しがないまま、別居や離婚をすると生活に困ります。悩んでいる方はできれば別居前に、弁護士や各自治体などに相談しましょう。

福岡県弁護士会は22~29日の午前10時~午後4時、各地の男女共同参画センターなどと共催で「女性の権利110番」を実施します。弁護士が無料で電話相談に応じます。具体的な日程や相談電話番号は各地域で違いますので、福岡県弁護士会のホームページか、電話=092(741)6416=で確認してください。

西日本新聞 6月15日分掲載(秀島美穂)

※このイベントは終了しました

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