「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2022年6月29日

ネットショップを開きたい

▼Q 趣味のフラワーアートの作品をフリマアプリで販売しています。好評なのでネットショップを立ち上げて本格的に販売しようと思います。何に注意したら良いですか。

▼A 最近はネットショップの開業サービスを請け負う業者が増えました。ウェブサイトのデザインのひな型や、クレジットカードや電子決済のシステム、売上管理ソフトなどが用意され、比較的簡単にネットショップをつくれます。

ただし事業を始める以上、やらなければならないこともたくさんあります。まず必要に応じて税務署に開業を届け出なければなりません。中古品を扱うなら古物商許可、食品なら保健所の営業許可など商品によっては資格や免許が必要です。

取引条件の表示を義務付ける特定商取引法や個人情報保護法も関わります。開業サービス業者が取引条件の条文や個人情報保護方針を用意してくれることもありますが、書き換えたり書き加えたりしなくて良いか慎重に検討しましょう。著作権も忘れてはなりません。サイト上の文章や画像、楽曲などが著作権を侵害していないか常に気を配りましょう。

開業後は商品説明を巡るトラブルが起きがちです。大げさな表現やあいまいな表現は控え、寸法を明示するなど正確さを心がけましょう。

商品によっては他にも注意点があります。事前に専門家に相談しましょう。福岡県弁護士会は7月20日、サブスクリプション(定額制)の水産加工品販売事業を自社サイトで展開する井口剛志さんの講演会と事業者向け無料相談会を開きます。ご参加ください。

西日本新聞 6月29日分掲載(寺井研一郎)

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