「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2022年4月27日

イラストの転用を防ぎたい

▼Q 副業で飲食店のメニュー作成を請け負っています。印刷物として納品する際、メニューに入れた写真やイラストの画像データも要求されることがよくあります。転用されないか心配です。

▼A あなたが作ったメニュー、素材の写真、イラストなどは、あなたの著作物です。著作権法で「思想や感情を創作的に表現したもの」と定められ、その人なりの考えが表れたものが著作物です。写真なら構図、イラストなら画風などに何らかの個性が表れますので、一般的には著作物といえます。

要求通りデータを渡しても、そのデータはあなたの著作物ですから、無断複製は認められていません。しかしいったん人の手に渡ってしまうと、無断複製されたり転用されたりする恐れは残ります。そこで、いくつかの対応が考えられます。

まず、データを渡さないこと。次に、データを渡す際は、無断複製しないよう注意書きや約束書面を取り交わす方法です。無断複製した場合の違約金も決めておくと抑止効果があります。逆に、データを著作権ごと譲り渡して、その分料金を高くする方法もあります。

このような方法の中で、あなたが作るメニューの商品力も考えながら、商売として成り立つビジネスモデルを探っていくことになります。

ビジネスモデルを考える際には、法律を、「従うべき決まり」としてだけではなく、「自分を守るもの」「利用するもの」と捉えていくことが有効です。弁護士は、そのような観点からのアドバイスも行っています。

西日本新聞 4月27日分掲載(角倉潔)

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