「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2021年10月27日

交通事故では何が証拠になる?

▼Q 先日、車同士の物損事故に遭いました。どちらが飛び出したかについて双方の主張が違い、示談交渉がうまく進みません。警察の資料は使えないのでしょうか。その他に有効な証拠はありますか。

▼A 交通事故の責任割合は事故状況によって決まります。そのため、交渉上も、事故状況の正確な立証がとても重要です。

警察の事故記録も、民事の賠償交渉の資料として利用できます。ご相談のケースでも、物損事故用の報告書が作成されているはずです。通常は裁判の中や、弁護士からの照会によって報告書を取得しています。

ただし、物損事故用の報告書は、警察が当事者から聞き取った事故内容をA4で1、2枚の用紙に記録したものです。警察の最終捜査結果ではありませんし、要点のみの情報で、常に役に立つとは限りません。

この点、現在の交通事故処理で最も有効な証拠となるのはドライブレコーダーでしょう。事故状況のありのままの記録なので、とても強力な証拠です。車のスピード、運転者の声など、動画ならではの情報が得られるのも特長で、事故状況をつかむのに大変役立ちます。

ドライブレコーダー記録のある事案では、事故状況自体はほとんど争いにならず、過失を何割と評価するかの交渉に集中できます。そのため、解決が早まります。

ドライブレコーダーは、自分で簡単にできる証拠確保の手段です。事前の備えとして装着をお勧めします。前方だけでなく、できれば後方にも設置するといいですね。

西日本新聞 10月27日分掲載(桑田剛旗)

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