「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2016年2月10日

少年事件は付添人を

▼Q 高校を中退した息子が非行を繰り返し、少年鑑別所に入れられて少年審判を受けることになりました。弁護士に依頼した方がよいのでしょうか。また、仕事に就いてくれれば少しは落ち着くと思うのですが、当てがありません。

▼A 少年事件でも、冤罪(えんざい)防止や被害者との示談交渉、問題を共に考えて反省を深める手助けをするなど、弁護士(付添人)の存在は重要です。ぜひ弁護士を付けてください。

知り合いの弁護士がいない場合、当番付添人制度があります。当番付添人制度は、全ての少年に弁護士を付けることを目標としており、法律扶助制度などを利用すれば、費用負担なしで弁護士を付けることができます。まずは地元の弁護士会に相談してみてください。

さて、息子さんは高校中退後、働いていないということですが、仕事に就くことは非行から立ち直るために非常に重要な要素です。罪を犯した人や非行に走った少年に就労の場を提供し、経済的自立や更生を図ることを目指す団体として、各都道府県にNPO法人「就労支援事業者機構」が存在します。息子さんに仕事を紹介してほしいときは、担当の弁護士を通じて、この機構に連絡してください。

福岡県の機構には500社以上の協力雇用事業所が登録しており、年々、職種も増えています。つらい状況ですが、これをきっかけに息子さんが就職して、立ち直れるよう、担当弁護士と一緒に頑張ってください。

西日本新聞 2月10日分掲載(知名健太郎定信)

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