「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2021年4月28日

加害者の出所時期を知りたい

▼Q 知人男性に重いけがを負わされました。知人は有罪判決を受け、現在服役中ですが、私は知人が出所してくるのが怖くて仕方がありません。いつ出所するのか知る方法はないでしょうか。

▼A 出所した知人からの仕返しを恐れる気持ちはよく分かります。このような場合、まず「被害者等通知制度」を利用することが考えられます。被害者が事件を扱った検察庁に申し出れば、原則として、満期出所の予定時期や受刑中の処遇状況、釈放された年月日(既に釈放されている場合)などを通知してもらえます。

仮釈放などで満期より早く出所するケースがあります。このような時も事前に予定を知りたいはず。再被害を避ける必要性が高い場合、受刑者の釈放直前における釈放予定(仮釈放を含む)を被害者に通知する制度があります。転居など知人との接触を避けるための措置を取らなければならず、事件の性質上も検察官が必要と認めることが条件ですが、事前に釈放予定の通知を受けられます。

知人から再び危害を加えられる恐れがある場合は、この制度を使った方が良いでしょう。この通知を希望する場合も、検察庁などに申し出る必要があります。

知人が少年の場合は、少し内容が異なりますが、同様の制度があります。
判断に迷われる時は、
福岡県弁護士会の犯罪被害者無料電話相談=092(738)8363=にご相談ください。電話相談は月~金曜日午後4~7時に受け付けています。

西日本新聞 4月28日分掲載(田中義教)

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