「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2021年5月5日

子どものいじめ 転校も選択肢

▼Q 小学生の子どもが、友だちと関係がうまくいかず学校に行きたくないと言っています。どう対応すれば良いでしょうか。

▼A 親に心配をかけたくなくて、お子さんが本当の理由を話せないことがあります。まずは焦らず、ゆっくり話を聞いてあげてください。学校に子どもの様子や交友関係を尋ねるのも良いと思います。友だちの言動で嫌な思いや悲しい思いをしていれば、学校に相談し、対応を求めてください。

いじめ防止対策推進法は、子どもが他の児童生徒の言動で心身に苦痛を感じている場合、学校は「いじめ」として対応すべきと定めています。相手に悪気があるかどうかや、こちらに非があるかどうかは問いません。子どもが安心して通えるようになることが一番大切だとの考えからです。

それでもお子さんが行きたがらなければ、転校も考えてはいかがでしょうか。
市町村は学校教育法に基づき、住んでいる地域により就学する小中学校(公立)を指定しています。ただ、いじめへの対応など事情があれば指定校の変更は可能。学校長などに相談してください。

「なぜ自分の子が転校を?」と思うかもしれませんが、引きこもったり、勉強についていけなくなったりするのを避けられるなら選択肢の一つになると思います。もちろんお子さんの気持ちが一番大切。よく話し合ってみてください。

福岡県弁護士会は8日午前10時~午後3時半、こどもの日記念無料電話相談=092(752)1331▽092(724)2644=を実施します。気軽にご相談ください。

西日本新聞 5月5日分掲載(井上茉彩)

目次