「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2022年2月16日

部屋を借りる時の注意点

▼Q この春に大学を卒業し、1人暮らしを始める予定です。部屋を借りるときの進め方を教えてください。

▼A 大家さんから直接借りる場合もありますが、不動産業者に頼むことを前提にお答えします。まず、事前にインターネットなどで候補を絞っておいてもよいですし、業者を訪ねて探してもらうこともできます。

ある程度候補が決まったら、物件の下見をしましょう。通常、不動産業者が同行して案内してくれます。最近はオンラインの下見もあるようです。思い違いやトラブルを防ぐために、下見はとても重要です。気になることは現場でどんどん聞きましょう。借りる前から傷んでいる場所などもチェックしておきます。

借りたい物件が決まったら、契約内容をしっかり確認しましょう。家賃額だけでなく、家賃に何が含まれるかも大事です。共益費、町費などが別に徴収されることもあります。

契約前には不動産業者から「重要事項説明書」をもらい、内容の説明を受けます。契約内容の中でも特に大事なことが説明されますから、よく聞きましょう。「契約するかどうか」を決めるための説明なので、説明を受けた上で契約を断ることもできます。

また、初期費用の確認も契約前にしてください。最初の日割家賃、敷金などは大家さんに支払うものです。これとは別に、契約仲介の手数料を不動産業者に支払います。手数料の上限は、家賃の1カ月分です。

契約が完了するまでは、誰かが先に借りるなど何があるか分かりません。引っ越しの正式予約などは契約完了後にしましょう。

西日本新聞 2月16日分掲載(角倉潔)

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