「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは隔週木曜に掲載されます。

2025年9月18日

食品ロスって?

▼Q 食品ロスが社会問題になっていると聞きます。私たち消費者には何ができますか?

▼A 食品ロスは、本来食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことですね。家庭での食べ残しや、お店での売れ残り、製造段階での規格外品などがあります

世界では生産された食品のうち約40%にあたる25億トンが廃棄されているとの報告(2021年)があります。国内でも約523万トン(21年度)にも上ります。膨大な食品ロスは、処理費用も膨大ですし、焼却時には多量の二酸化炭素が排出されるので、地球温暖化への影響もあります。

世界では10人に1人が飢餓状態。健康的な食事が取れていない人は31億人にもなっています。土地や水といった資源に限りがある中で、必要とする人に食料が届かない一方、食品輸入量の多い日本が大量の食品を廃棄することは人道上も問題があります。

このため、日本では19年に食品ロス削減推進法が施行され国、地方公共団体、事業者、消費者の責務や役割が定められました。法に基づきフードバンク活動が推進され、賞味期限も見直されています。

私たち消費者にできるのは「食品ロスを減らす努力」をすることです。例えば(1)残っている食材や余った料理を工夫して食べる(2)冷蔵庫にあるものを確認して買い物をする(3)保存食材は古いものを前に置いて順番に使う-などの工夫をしてみましょう。

毎年10月は「食品ロス削減月間」。ちょっとした気遣いで社会へ貢献できます。気軽に始めてみましょう。

西日本新聞 9月18日分掲載(緒方剛)

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