「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2023年3月15日

女性の自殺増加 できることは?

▼Q 女性の自殺者数が増加していると聞きました。対策はされていますか。また、私たちに何かできることはありますか。

▼A 女性の自殺者数が2020年、21年と2年連続で増加しました。昨年は若干減りましたが7千人を超えており、新型コロナウイルスの感染が広がる前の19年と比較すると約千人も増加しています。

コロナ禍の中、女性は、経済、ジェンダー、労働、健康、こころの五つの問題に直面しています。このことが、女性の自殺者数の増加にも関係していそうです。

政府が昨年10月に閣議決定した新たな「自殺総合対策大綱」では、女性に対する支援が強化されています。また、来年4月には「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(女性支援新法)が施行されます。この新法は、性被害や生活困窮、家庭関係の破綻など、困難な問題を抱える女性を支援し、福祉の増進を図ることを目的としています。

一方、債務、離婚、DV、不当解雇、パワハラ・セクハラなど、弁護士の支援で解決できる問題も多くあります。弁護士につなげることが、その方の助けになるかもしれません。そのためには、私たちが女性をとりまく問題について理解することも重要です。

そこで福岡県弁護士会は、津田塾大学客員教授で元厚生労働事務次官の村木厚子さんを招き、26日に福岡市の同弁護士会館で自殺予防シンポジウム「女性が苦しむ5つの問題をめぐって」を開催します。申し込み不要で、オンライン参加もできます。くわしくは同弁護士会のホームページをご覧ください。

西日本新聞 3月15日分掲載(日高こむぎ)

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