「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2015年5月27日

離島でも弁護士相談体制整う

▼Q 私の実家は長崎県の離島です。実家の父が相続の問題で悩んでいます。弁護士に相談することを勧めようと思うのですが、長崎市や福岡市まで出向かないと相談できないのでしょうか。

▼A 相続問題については、こじれる前に正しい法律知識を知り、解決の糸口をつかむことが大切です。その意味で、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。
また、場合によっては、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てて解決してもらうほうが、早くて公正な解決となることもあります。このような調停の申し立ても弁護士に依頼することができます。

ところで、実家が長崎県の離島ということで、近くに相談できる弁護士がいるのかどうかご心配のようです。弁護士会では、どの地域にお住まいの方でも弁護士によるサービスが受けられるよう、法律相談センターや公設法律事務所(ひまわり基金法律 事務所)を設立しています。日本司法支援センター(法テラス)も、弁護士の少ない地域に法テラス法律事務所を開設しています。

このように、現在では、離島であっても弁護士に相談できる仕組みや法律事務所がある体制が整ってきていますので、地元の弁護士会や法テラスに問い合わせてくだされば、高額な交通費を負担しなくても相談できる弁護士が見つかると思います。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 5月27日分掲載(橋本千尋)

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