「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2023年3月1日

18歳でも裁判員に?

▼Q 私は今年18歳になりました。先日、「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」が最高裁判所から届きました。どうすればよいか不安です。

▼A 民法改正により成人年齢が引き下げられ、18歳から民法上成人として取り扱われるようになりましたが、裁判員になることができる年齢も18歳に引き下げられたことはご存じない方も多いでしょう。

「裁判員候補者名簿」に名前が記載されただけでは、まだ裁判員に選任されたわけではありません。しかし、裁判員に選任されれば、本物の刑事裁判に参加し、裁判官とともに、被告人が犯人なのか、犯人ならどのような刑を科すのかなどを話し合い、結論を出します。

高校在学中や高校を卒業したばかりでほとんど社会経験がなくても、重大な判断をしなくてはなりません。そのためには、刑事裁判の仕組みを知るだけでなく、他人の意見を聞くこと、他人を説得すること、そして人を裁くということ自体についても考えていただきたいです。

そこで、福岡県弁護士会では3月29日、模擬裁判などを体験できる「ジュニアロースクール」を開催します。主に高校生や中学生向けで、今回は裁判官役です。

模擬裁判の題材は、とある大学生が襲われた傷害事件。被害者は犯人の顔を見ていなかったが、事件前に被害者と口論していた同じクラブの部員が犯人として起訴された。「果たして本当にその部員が犯人なのか・・・」。一緒に考えてみませんか。くわしくは福岡県弁護士会のホームページをご覧ください。

西日本新聞 3月1日分掲載(稲吉佑紀)

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