「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは隔週木曜に掲載されます。

2026年5月21日

家事ADRで紛争解決

▼Q 夫と離婚協議中です。離婚自体には合意しています。ただ仕事上のパートナーでもあり、今後の仕事について話し合っておきたいです。このような問題も、家裁の離婚調停で協議できますか。

▼A 弁護士会のADR(裁判外紛争解決手続き)を利用してみませんか。裁判所を利用せずに、話し合いで解決をめざす手続きです。各地の弁護士会がADRを運営しており、経験豊富な弁護士があっせん人として仲立ちします。

ご相談の「今後の仕事のこと」は、法律を形式的に適用しただけでは解決できません。具体的には、双方の技術や営業力、ライフプランなどを考慮する必要があります。この種の問題は、裁判所の調停よりもADRが適していることが多いです。

福岡県弁護士会もADRを運営しています。原則3カ月以内の解決を目指し、ウエブ会議や電話を利用し、リモートで協議することも可能です。

法務大臣の認証を得たADR(認証ADR)には裁判所の判決と同等の執行力があります。相手方が約束どおりの支払をしない場合でも、裁判所での所定の手続きを経れば、差し押さえなどの強制執行が可能です。県弁護士会も認証ADRです。

ADRで取り扱うトラブルの種類に制限はありません。県弁護士会では「家事ADR」に力を入れています。申し立て手数料は無料です。離婚や養育費、面会交流、相続、親の介護、お墓の承継などさまざまな家族の問題が対象です。詳しくは県弁護士会のホームページをご覧ください。

西日本新聞 5月21日分掲載(阿部航太)

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