弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2023年4月24日

ウマと話すための7つのひみつ

生物(馬)


(霧山昴)
著者 河田 桟 、 出版 学習の友社

 与那国島で馬と暮らしている著者が、馬と話す秘訣を私たちに教えてくれている心楽しい絵本です。
馬は大きくて賢い生きもの。馬同士だけに通じるコトバを話している。馬語だ。
 たいての人は馬語が分からない。たまに、馬語が半分ほど分かる子どもがいる。
 それは、馬を見ると、なんだかうれしくなって、ついにこにこと笑ってしまう子ども。馬は体の動きで、今の気持ちを伝えている。
 怒っているときは、耳をひきしぼるように後ろに倒す。気持ちのいいときは、鼻の先をもぞもぞと動かして、伸ばしていく。驚いたときは、目を見開いて白目を少し見せる。子馬が大人の馬に挨拶するときは口をパクパク動かす。気に入らないことがあるときは、相手にお尻を向ける。それでも相手がさめなかったら両方の後ろ脚で思い切り蹴り上げる。
 気持ちが高ぶって、すごくうれしいときは、しっぽを高く上げる。甘えたいときは、「ブフフフフ」と低いこもった声を出す。馬が見えないのは後ろだけ。そこに誰かがいると、いやな気がするので、思わず蹴ってしまうことがある。
馬は知らない人からすぐ近くでじろじろ顔を見られるのは苦手。お互いが安心するまで、ゆっくり時間をかけて、目を合わさずに、草を食べたりしながら、ちょっとずつ近づいていく。
馬と仲良しになりたいなら、少し遠くで、じっと動かず、目を合わすこともなく、楽しい気持ちで、のんびりと待っていること。馬がすっかり安心して、この人は大丈夫だと思ったら、馬の方からそっと、臭いを嗅ぎにくる。そして、そのとき、じっとしてにこにこしていると、馬は友だちになれる。
なるほど、ゆったりとした気持ちが必要なんですね。
私も馬と友だちになってみたいです。
(2022年10月刊。1300円+税)

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