弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2020年9月28日

アホウドリからオキノタユウへ


(霧山昴)
著者 長谷川 博 、 出版 新日本出版社

アホウドリとかバカドリと呼んで、昔の人は何十万羽もいた鳥を絶滅寸前に追い込みました。羽毛をとり、油をとったのです。ところが、著者たちの長年の努力とたゆまない工夫によって、なんとか絶滅を免れたのでした。
著者はアホウドリなんて馬鹿にした名前ではなく、オキノタユウと呼ぶことを提唱しています。大賛成です。
オキノタユウは非常に長生きで、著者が確認した最高齢は38歳。50歳をこえ、60歳いや70歳まで、生きるのかもしれない。うひゃあ、すごいですね...。
オキノタユウの主な天敵は人間。なので、いま生き残っているオキノタユウは人間をものすごく警戒する。
海上ではシャチにも狙われるが、シャチを追っかけ、その食べ残しも利用している。
オキノタユウは、生涯、一夫一妻で、いったんつがいになると、相手が死ぬまでつがいの関係。といっても、遠くへ旅に出るときには、群れをなすことなく、一羽一羽で飛んでいく。
そして、繁殖地では子育てを一緒にする。抱卵期間は2ヶ月あまり、交代で卵を抱いて温める。その間、10日間は絶食状態。
私と同じ年(1948年)に生まれた団塊世代の著者がオキノタユウの調査を始めたのは28歳のとき、私が弁護士になって3年目に郷里にUターンした年のことになります。
1979年から40年間、一度も欠かすことなく、鳥島(とりしま)にいるオキノタユウの生息・繁殖状況を調べた。
営巣地に草を植え替え、デコイ作戦を展開した。2018年にオキノタユウの繁殖つがい数は1000組になった。8年後の2016年には繁殖つがい数は2000組、総個体数は1万羽になると予測されている。
デコイという本物そっくりのオキノタユウの「はりぼて」を設置するとき、求愛音声をスピーカーで流し、また、営巣地のにぎやかな音声も放送した。
著者は42年間に、鳥島を125回も訪問しています。1回に1ヶ月間ほど、無人島に一人で生活するのです。ちっとも寂しくないといいます。本当でしょうか...。
今では本土と衛星電話でつながっていて、AMラジオで世の中の動きを知る。鳥島にいるときは、すべての時間をひとりで自由に使うことができる。こんなに幸福なことはない。
ただ、鳥島は、今も活動している活火山であり、船で行くしかないので、船酔いの苦しみを味わされる。
いやはや、本当に長いあいだ、お疲れさまです。これからも無理なくがんばってください。応援しています。
アホウドリなんて、写真を見たら、その気品の良さに、やっぱりオキノタユウだよねと、つい納得してしまうカラー写真もあり、楽しめます。
(2020年4月刊。1500円+税)

2020年6月 1日

カラスは飼えるか


(霧山昴)
著者 松原 始 、 出版 新潮社

カラスを飼おうなんて、もちろん私は一度も思ったことはありません。真黒くて、不気味で、ゴミあさりをして道路を汚してしまう...。そんな悪いイメージしかカラスにはありません。
この本で著者は結論として、うっかりカラスを飼ってはいけないとしています。
なにしろ、カラスって、40年以上も長生きすることがあるというのです。せいぜい15年ほどのイヌやネコとは違うのです。
カラスは、人間には簡単になつくことはない。
カラスは、いたずら好き。気になるものは、すべてつつく。とにかくつついて、ぶっ壊す。それからもち去り、隠す。
カラスは絶望的にしつこい。ケージの留め金を外すくらいは朝飯前。
そんなカラスを飼うのは、やめときなさいというのが著者のご託宣です。分かりました。そうします...。
カラスは、三原色に加えて紫外線も見えている。石けんとかゴルフボールを持ち去る習性は、それと関係があるのか...。
カラスの肉は食えるが、あまりおいしそうでもない。カラスの肉は高タンパク質低カロリー。タウリンや鉄分を大量に含んでいる。
南アメリカには、過去も現在もカラスが分布していない。
うひゃあ、な、なぜでしょうか...。
カラスは仲間が死んだら、その周囲で大騒ぎする。これをカラスの葬式という。
若いカラスの群れには、はっきりした順位がある。上位のオスはよくモテるし、上位のオスをめぐって、メス同士も争うことがある。
カササギは、わが家の周囲にフツーにいる鳥です。毎年、電柱の高いところに立派な巣をつくっています。毎年、九電が巣を撤去しますが、子育てが終わってからのようです。このカササギの巣は丸いボール状の構造ですが、横向きに出入口があるとのこと。いつも巣は見ていますが、初めて知りました。
カササギは九州だけでなく、最近は北海道の室蘭や苫小牧付近でも繁殖している。これは、ロシアの貨物船から来たと思われる。
カササギは、カチ(勝ち)ガラスともいいますが、これは韓国語由来だそうです。韓国では、カササギのことをカッチと呼び、大変人気がある。カッチというカラスっぽい鳥としてカチガラスと呼んだのだろう。
これが著者の意見です。著者には『カラスの教科書』などもあり、まさにカラス博士です。
(2020年3月刊。1400円+税)

 アベノマスクが5月末になってようやく届きました。郵便ポストに投げ込まれていたのです。もうマスクは町中どこでも売っていますので、どこか必要なところへ寄付するつもりです。それにしてもつくって配るのに468億円かけ、また38億円かけて追加するなんて信じられません。政権中枢に近い会社がもうかり、配ったゆうちょが助かっただけではありませんか...。
 また、持続化給付金のほうも電通と竹中平蔵のパソナが濡れ手のアワのボロもうけをするとのこと。国民の不幸を喰いものにして金もうけに走るアベ政権にはほとほと愛想が尽きます。50代、60代の女性のアベ首相の支持率が2割未満だという世論調査が出ていますが、それも当然です。ここで怒らないと、いつ怒りますか。政治が生活と直結していることを身をもって知らされている今、世の男どもはいったい何を考えているのでしょうか...。

2020年4月27日

ツバメのひみつ


(霧山昴)
著者 長谷川 克 、 出版 緑書房

ツバメの平均体重は20グラム、スズメは、それより少し重くて24グラム。なんだか見かけと違った印象です。ツバメは足がとても短い(1センチ)。
ツバメは高度に特化した飛翔性能を有する。地球上には、70種をこえるツバメがいるが、日本には5種しか生息していない。
ツバメのオスは、メスより尾羽が長い。オスは尾羽にある白い斑が大きく、喉の赤さが際立っている。そして、背中の青い金属光沢も強い。そして、さえずっているツバメは、だいたいがオス。メスへの求愛のために鳴いている。
メスは子育てに尽力し、夜間に抱卵しているのはメス。オスのツバメも抱卵するが、短時間のみ。ただし、ヨーロッパのツバメではオスは抱卵しない。
ツバメは成鳥になってからの平均寿命は1年半ほど。平均生存率は50%。
同じ巣を同じカップルのツバメが使っているように見えても、実は、毎年、メンバーが入れ替わっていることが多い。
ツバメは朝起きて、夜に眠る。1日の大半を食事に費やしている。ツバメは平均時速40~60キロ。
ツバメのメスは、自分の夫が魅力に欠けるときには、浮気して子をつくる。それでも、ツバメの子の97%は、巣の世話をしているオスの子。ヒトの婚外子が3%なのと、あまり変わらない。
ツバメの親は、色がもっとも赤く鮮やかな口をしているヒナに、好んでエサを与える。また、もっとも激しくエサをねだるヒナが優先的にエサをもらえる。
ヒナは、卵から孵化したあと、20日ほどで巣立ちする。それでも、親は、巣立ち後も、しばらくは子の世話を続ける。そのほうが子の生存率は高まる。新潟県上越市で200羽のヒナに足環をつけたところ、帰ってきたのは、わずかに8羽だった。
ツバメの発祥の地は、ヒトと同じアフリカ。
ヨーロッパのツバメは、牛舎のなかで集団的に繁殖する。牛舎だと天敵にやられて全滅する危険は小さい。
東南アジアでは、ツバメを釣って食べる地方がある。
ツバメは地球規模で減少している。日本でも体感として10年前の10分の1になっている。
ツバメは冬のあいだ、南方の地域でどんな生活をしているのかも知りたい...です。
(2020年3月刊。1800円+税)

2019年11月11日

精霊の踊る森


(霧山昴)
著者 嶋田 忠 、 出版  講談社

私は『ダーウィンが来た』を欠かさずみています。ふだんテレビはまったくみませんが、この番組だけは録画したものを週1回、寝る前にみています。世界各地の生き物たちの驚くべき映像に接して、大自然の営みの豊かさを実感させられます。
この写真集も『ダーウィンが来た』で紹介された鳥たちを見事に切り取っていて感動そのものです。
極楽鳥と庭師鳥について、「進化しすぎた鳥たち」と評されていますが、なるほどすごい色と形、そして求愛ダンスと愛の巣づくりのすばらしさに、ただただ圧倒されて声も出ません。
タンビカンザシフウチョウの求愛ダンスで示す色と形は神秘そのものです。誰が一体こんなデザインを考えついたのでしょうか、不思議でなりません。
カンムリニクシドリは、高さ2メートルにもなる求愛用のアズマヤのタワーを森の中に築き上げます。
オウゴンチョウモドキでは、若鳥たちは成鳥オスに見習って踊りを練習します。成鳥になるのに5年もかかり、その間、一生けん命に成長オスの踊りを見て学ぶのです。
真紅の円形の頭に白い目に黒い瞳がじっとこちらを見すえている写真が表紙を飾ります。ド迫力です。
写真をとった人は、私と同じ団塊世代(1949年生)。ニューギニア島に通い続けているのです。パプアニューギニアでは、今も昔ながらの原始的な生活をしている人々がいるようです。祭りのときには極彩色に顔と身体を飾りたてます。まるで鳥たちと競いあうようです。
極楽鳥の求愛ダンスは日の出前後にあるので、日の出前の暗いうちに機材をかついて森の中に入り、撮影用の特製テント(ブラインド)に入って、じっと待つのです。なんと5日目に決定的瞬間の撮影に成功したといいます。テントのなかに隠れてじっと音も立てずに待ち続けるのです。大変な根気のいる仕事です。おかげで居ながらにして、こんな素晴らしい写真を拝むことができます。ありがたいことです。
手にとって一見する価値が十分にある写真集です。3600円が高いと思う人は、ぜひ図書館に注文して手にしてみて下さい。世界観が大きく変わること間違いありません。
世界は生命の神秘にみちみちていることを実感させられます。ぜひぜひ後世にそのまま残したいものです。
(2019年7月刊。3600円+税)

2019年11月10日

フクロウの家


(霧山昴)
著者 トニー・エンジェル 、 出版  白水社

フクロウのことが、なんでもよく分かる本です。
フクロウは、南極以外のすべての大陸に分布している。サボテンフクロウは砂漠に棲み、アナホリフクロウは地下に穴を掘って巣をつくり、シマフクロウはシベリアの極寒の地にも耐えられる。フクロウは、その生息する環境にあわせて生態が多様化し、今日では世界に217種ものフクロウが存在している。
『ハリー・ポッター』にもフクロウが登場している。シロフクロウのヘドウィグは、ハリー・ポッターが信頼を寄せる友人だ。配達をまかされているフクロウもいる。
メンフクロウは、人間と共生している。1年目までに75%が死亡するものの、34年も生きた個体がいる。
フクロウは場所に関する記憶力に優れ、ほとんど真っ暗な中でも木々の枝をすり抜けるように巧みに飛翔する。探究的にで、情熱的で、攻撃的で、欺瞞的、そしてときにきわめて勇敢な生き物だ。喜びや恐怖を感じ、ひとたび雌雄の関係を築いたら離れることがない。
カップルは歌を鳴きかわし、互いの羽づくろいをする。そして、そのあと交尾する。交尾瞬間は短いが、何回もする。また、雄は雌に贈り物をする。
卵を抱卵中の雌は、あまりにお腹がすいてくると、洞の中から勢いよく飛び出してきて雄に体当たりして、止まり木から突き飛ばし、餌を取りに行くよう求める。
フクロウは、タカやワシ、ハヤブサとは類縁関係にない。しかし、身体面や行動面でよく似た特徴を発達させてきた。
フクロウの聴覚は鋭い。しかし、やはり目が何より重要である。頭を素早く270度も回転できるため、音や動きに即座に反応して獲物を見つけることができる。
フクロウは獲物をかみ砕くための歯はなく、代わりにくちばしでつぶす。少し柔らかくなったところで、一気に呑み込み、あとは消化過程で栄養物と不要な部分とを選り分ける。
フクロウはネズミが好物なので、果樹園などのネズミ退治にはもってこいの存在である。
270頁ほどの、フクロウ全書とも言える楽しい本でした。
(2019年2月刊。3000円+税)

2019年4月15日

フクロウの家


(霧山昴)
著者 トニー・エンジェル 、 出版  白水社

フクロウを自ら育て、野生のフクロウをじっくり観察し、またフクロウの絵を微細なところまで描き切った本です。フクロウについて、その子育てから生活まで、さしずめフクロウ百科全書のように詳しく知ることができます。
私は坐骨神経痛の原因を知るため病院に行き、MRI検査を受けて、その結果について医師の説明を受けるまで病院に滞在していた時間内で読み切りました(277頁の本です)。
フクロウは、2500万年ほど前に誕生し、長い進化のなかで多様化してきた。世界に217種のフクロウがいる。フクロウは、南極大陸以外のすべての大陸に生息している。
完全に夜行性のフクロウは半分しかいない。フクロウは比較的暗いなかでも活動できる能力をもっている。
抱卵中のメスはエサを取りには行かず、それはオスの役割。メスがあまりにお腹がすいてくると、巣の中から勢いよく飛び出してオスに体当たりして止まり木から突き飛ばして、エサを早く取ってくるよう促す。
うひゃあ、まるで人間様と同じ行動をとるのですね・・・。
オスはメスの気に入るような巣をつくるが、決定権をもっているのは、あくまでメス。
オスとメスが互いに羽づくろいを始めると、たいていは、その後に交尾する。交尾には単なる儀式以上の意味があり、一晩に何度か交尾する。これも、なーるほど、ですね・・・。
フクロウのなかで最小のサボテンフクロウは、主に食虫性で、人間の親指ほどの大きさで、一般的なニワトリの卵よりも軽く、55グラムほどでしかない。
最大のシマフクロウは、大型のハクトウワシよりも重く4.5キロある。このシマフクロウは、自分と同じ重さの鮭も捕まえる。
フクロウの前方視野は人間ほど広くはないものの、頭を素早く270度回転させることができるため、音や動きに即座に反応し、辺りを見回して獲物を見つけることができる。人間は平均して180度しか頭を回せない。フクロウが首を270度回転させられるのは、頸部に人間の2倍にあたる14の脊椎骨があるから。また、頸静脈も、首をこれだけ回しても、脳に血液を提供するのを妨げない配置になっている。フクロウの目は頭蓋骨から飛び出していて骨の中におさまっているのではなく、軟骨に支えられているため、頭が重くならず、体の前部の軽量化につながっている。
フクロウは、人間の目にはとうていできないレベルで、光量にあわせて瞳孔を収縮させたり拡張させたりすることができる。
キンメフクロウは、耳道の閉口部は極端なまでに左右で高さが異なり、聴覚によって獲物を認知するのに役立つ。
フクロウはほとんど音を立てずに飛翔するのが狩りにおける戦略のひとつとなっている。それは、初列風切羽の半ばに、睫毛のような羽根がふわふわと320本以上も伸びて外線を形成していて、この柔らかい羽根が飛翔時に翼が空気を切る音を弱める。
フクロウのカップルは歌を鳴きかわし、長時間、互いに羽づくろいしたり、オスがメスに好物をプレゼントしたりする。
メンフクロウが猫と一緒に遊んでいる動画がユーチューブで公開された。
フクロウがいるかいないかで、その森の健全性を計ることができる。
フクロウの寿命は、野生では10年以下のことが多いものの、飼育下では20年以上も生きることがある。自然界で生き抜くのは、主として人間による環境破壊のため、ますます難しくなっているようです。
フクロウという鳥について多面的なアプローチがなされていて、大変勉強になりました。
福岡・中州の川端通りに「フクロウの店」がありますよね。一度、入ってみることにしましょう。
(2019年2月刊。3000円+税)

2019年3月18日

ツバメのくらし写真百科

(霧山昴)
著者 大田 眞也 、 出版  弦書房

ツバメを見かけることも少なくなった気がします。スズメにいたっては明らかに激減しています。暖冬だったことと関係があるのかが分かりませんが、この冬は、ジョウビタキの姿をたまにしか見かけることがなく、寂しい思いをしました。と書いたら、3月半ばの朝、姿を見かけました。旅立ちの挨拶に来てくれたようです。
さて、ツバメです。人の目に目立つところに巣をつくるのは、天敵対策として人間の目を利用しているということです。
ツバメは、平均気温9度の等温線とともに北上するという説が有名。熊本には毎年、ヒナ祭りの3月3日ころに姿をあらわす。先に日本にやって来るのはオスで、メスに呼びかけます。そのラブコールは「土食って虫食って渋ーい」というもの。
つがいの相手を選ぶのはメス。オスを見分けるポイントは、尾羽の長さ、白斑の大きさ、喉の赤さ。これらはオスらしさの象徴であるだけでなく、ヒナの生育を阻害する寄生虫の少なさを示す指標でもある。
巣づくりを始めてから4日目ころから、巣の近くで交尾する。オスはクチュクチュジュクジーなどと早口で鳴きながらメスに接近し、ころあいをみて、さっとメスの背に乗って交尾する。精子は新しいものほど受精しやすいので、メスが一腹卵数を産み終えるまで、オスはメスにつきまとって、毎日数回、交尾を繰り返す。これには、メスの不倫を防止して、自分の遺伝子だけを確実に伝えようとする意図がある。
抱卵は主としてメスがし、オスは手伝う程度。夜間はメスだけでする。抱卵して2週間ちょっとでヒナがかえる。丸裸同然なので、5日間くらいは卵のときと同じく温め続ける。ヒナは親鳥の発するクイッという鳴き声で一斉に口を開ける。口内は赤くて縁取りは黄色。もっとも大きく開いた口のヒナがもっとも空腹で、親鳥はいちばん大きい口にエサを入れ与える。きわめて合理的。エサをもらったヒナは、すぐ後ろ向きになって糞をする。親鳥はそれをくわえて外に捨てに行く。
口を大きく開けさえできれば、羽色には関係なくエサをもらえて育つ。ツバメの巣にスズメのヒナが入って立派に育ったこともある。ええっ、驚きます。
親鳥は雨が降ると、雨を受けて雨浴びをして、寄生虫を駆除し清潔につとめる。雨浴びしたあとは、電線にとまってくちばしで、丁寧に羽毛を整える。
ヒナは卵からかえって3週間後に巣立つ。巣立ちはだいたい午前中。当日になると、親鳥の態度が一変し、エサをヒナに与えず、巣の近くにとまって見せびらかして、誘う。
親鳥は、ヒナを巣立たせて2週間もすると、2回目の繁殖に取りかかる。巣立ってからも10日間くらいは、親鳥からエサをもらいながら、エサのとり方、天敵、危険なものは何か、生きていくうえに必要なことを学ぶ。子どもたちは、巣立ちして1ヶ月くらいは巣に戻ってきて休んだりする。
越冬ツバメは、留鳥になったのではなく、日本の北方の寒いところのツバメたちが冬の厳しい寒さを避けてやって来ているのだろう・・・。
身近なツバメの百態を写真と文で詳しくできる楽しい本(写真集)です。
(2019年1月刊。1900円+税)

2019年3月11日

鳥、驚異の知能

(霧山昴)
著者 ジェニファー・アッカーマン 、 出版  講談社ブルーバックス新書

鳥は恐竜から進化した生き物です。1億5000万年から1億6000万年前のジュラ紀に鳥類は恐竜から進化した。しかし、恐竜は、ある日、鳥に変わったというのではなく、1億年にわたる着実な進化によって一つずつ時間をかけて現実になった。
長いあいだ、道具を使うのは霊長類のみと考えられていた。道具の使用がヒトに特有なものという考えは、チンパンジーが道具を使うことをジェーン・グドールが発見して斥けられた。その後、オランウータンもマカクザルも、ゾウも、昆虫までもが道具を使用していることが判明した。そして、鳥類ではカレドニアカラスが道具をつかっていることが観察された。
ミヤマオウムは、世界でもっとも賢くて、いたずら好き。悪ふざけをするのが大好きだ。
カラスは、同じ作業をしたのに、自分のもらう褒美が仲間より少ないと作業を止める。つまり不公平さに対する感受性がある。
ただし、鳥にも個性がある。鳥も他者にならう。
セキセイインコは、そのオスがパートナーに対する献身の度合いをパートナーの呼び声を完璧に真似ることで示す。つまり、つがいのセキセイインコは、同じ呼び声で集まる。オスがメスと寸分たがわない呼び声を出す。メスの呼び声がオスの呼び声でもある。模倣の正確さを基準にして、メスはオスの求愛の本気度と、パートナーとしての適性を判断する。
カケスは貯食するが、泥棒でもある。隣人が苦労して集めた餌をさらっていく。
アオアズユヤドリのメスは、活気があり熱のこもった歌とダンスのディスプレーに魅かれるが、それも度をこすと逆効果になる。オスのメスへの求愛は、自信たっぷりの行動より感受性、気持ちの通いあい、力の誇示の抑制が必要なのだ。
ハトは数を理解する。最大で9個の物が描かれた絵を、数が少ない絵から多い絵へと正しい順序で並べることができる。また、相対的な確率も理解する。
2月中旬の日曜日、青空の下で種ジャガイモを植えつけました。いつものジョウビタキは来ず、珍しいことに白黒ツートンカラーのカササギが2度もすぐ近くの梅の木までやって来ました。
この冬は寒いと思っていると、そうでもなく、高菜が例年より早く伸びたので急いで収穫したと聞きました。ジョウビタキも暖冬異変で早々と帰っていったのでしょうか・・・。
(2018年3月刊。1300円+税)

2019年2月10日

ニワトリ、人類を変えた大いなる鳥

(霧山昴)
著者 アンドリュー・ロウラー 、 出版  インターシフト

JR久留米駅にある美味しい鶏の唐揚げの店で読了しました。この店は大量生産のブロイラー(鶏)ではないと表示されていますが、なるほど肉質が違います。かみしめると、味わい深さに舌が驚いてしまうのです。
ニワトリは恐竜の子孫です。では、なぜ恐竜が絶滅したというのに、ニワトリだけは生き残っているのでしょうか・・・。
鶏肉は、豚肉や牛肉より風味が付けやすいので、ファストフードにぴったり。
2001年までのアメリカ人は、年間36キロの鶏肉を食べていた。これは終戦直後の1950年当時の4倍。今では、年間45キロに近づいている。
アメリカのタイソン社だけで、売上高は3000億ドル、週間生産高は60の工場で、4100万羽を突破した。
ブロイラーの80%以上を三大育種企業が管理していて、そのうち2社はアメリカの企業。
2010年に、アメリカの育種企業の孵化場300ヶ所で90億羽のブロイラーが生産された。
1950年には平均して70日かかり(体重1ポンドあたり)、体重1ポンドあたり3ポンドの飼料を必要とした。これが2010年には、わずか47日間で育った。必要な飼料は2ポンドですんだ。ヒヨコは生後1週間で、体重が4倍に増える。
ニワトリの寿命は10年で、20年も生きることさえある。
ニワトリの原種は、ビルマ(ミャンマー)の原生種であるセキショクヤケイだ。
人間のいる至るところにニワトリがいる。その数は200億羽にのぼる。ニワトリがこの世からいなくなったら、きっと各地でパニックが起きるだろう。
ニワトリは食材でありながら、かつ、インフルエンザのワクチンをつくる入れものとして、人類に貢献している。
子どものころ、我が家でもニワトリを飼っていました。エサのために草をとってきていました。父がニワトリを殺し、腹をさばいて卵が出来ていく過程を見て、たまげました。
(2016年11月刊。2400円+税)

2018年12月16日

道具を使うカラスの物語

(霧山昴)
著者 パメラ・S・ターナー 、 出版  緑書房

カラスは賢い鳥だということはよく知られていますが、カレドニアガラスは道具をつくってエサを取るほどの賢さです。そして、親鳥が赤ちゃん鳥に道具を使って木の中の虫を取り出す技術を伝授するのです。なにしろ、その証拠写真がバッチリありますから知能の高さを疑いようがありません。
この本で観察されているカレドニアガラスには、それぞれ名前がついています。
人間はカラスの個体を識別するのは大変むずかしい。けれども、カラスのほうはきちんと人間の個体識別をしている。
カレドニアガラスは、股状の枝を折ったり、形を加工したりすることで、フック付きの道具をつくる。フックの先を鋭くするため、削る。
赤ん坊カラスは、すべてのものに興味を抱く。新聞を与えると、ズタズタにしてしまう。どんなエサも必ずもてあそぶ。
1羽のカラスが何かを持っていると、他のカラスはそれを欲しがる。カラスたちは、恐ろしいほどイタズラが好きだ。
カレドニアガラスは、「ワァー、ワァー」あるいは「ワァッ、ワァッ」と鳴く。「カァー」とは鳴かない。
カレドニアガラスをめぐる楽しい写真集のようなカレドニアガラスの紹介本です。
(2018年2月刊。2200円+税)

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