弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年10月 1日

日本の信徒の神学

著者:隅谷三喜男、出版社:日本キリスト教団出版局
 日本のキリスト教徒は人口の1%もいません。プロテスタントが63万人、カトリックが46万人で合計109万人です。韓国では戦後みるみるうちに増えて、今では1300万人、4000万人の人口の3分の1がキリスト教徒です。儒教の国のはずなのに、どうしてこんなにキリスト教徒が急増したのでしょうか。中国でもプロテスタントが1000万人以上はいると推定されています。なぜ、日本だけが、こんなに増えないのか、著者はそれを問題としています。
 日本ではキリスト教徒は農村部にはほとんどいなくて、都市部の知識層を基盤としています。しかも、男は信者になっても「卒業」していき、女性が残るという構造です。
 若いキリスト教信者が減ってしまい、大学生の信者がいない教会がたくさんあるそうです。むしろ、60歳とか70歳の信者が増えています。男性35%、女性65%。したがって、日本の教会は女性役員の比重が高いという特徴があります。
 日本人のお葬式のときの焼香について、カトリック教会は、あれは民衆的慣習だからやってよいという公式見解を出しているので、カトリック教徒は平然と焼香している。しかし、プロテスタントは公然と認めてはいないので、信者はもじもじと焼香するしかない。そんな違いがあるそうです。そうなのか・・・。私は驚いてしまいました。無神論者を自認する私は、故人に対する畏敬の念を表明するための儀式として、何もためらうことなく焼香しています。カトリック信者みたいなものでしょう。
 ところで、日本でも戦国時代にキリスト教が入ってきたときには、わずか50年間のうちに50万人もの日本人が入信した実績があります。当時の日本人の人口は2500万人とみられていますので、50年間でたちまち人口の2%が入信したわけです。しかも、信念をもった確固としたキリスト教信者が大勢いましたので、殉教者が輩出し、天草の乱が起き、隠れキリシタンが明治まで続いていたのでした。そんな実績があるのに、なぜ、今の日本でキリスト教が普遍化しないのか・・・。日本人の現世利益、幸福主義が原因だと著者は解説していますが、実は、もうひとつ納得できませんでした。
 日本人の思想生活が2階建てという指摘はなるほどと思いました。つまり、外国の思想は2階にあり1階には日本の思想がある。2階は聖書を読んだりする信仰の生活で、毎日の生活は1階にあるというわけです。日本人は今も昔も変わらないということでしょうか・・・。

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九州戦国物語

著者:青崎康次、出版社:高城書房
 九州に生まれ、住んでいる者として、戦国時代に何が九州で起きたのかを知っておきたい。それに役立ち、手軽に読める小説となっている。
 松坂城炎上、古処山城始末、響が原異聞、沖田畷戦術録、佐土原館毒殺考。5つの事件が読みやすい小説になって紹介されている。
  戦国時代の九州の武士に生きざまを知るきっかけとなる本だ。

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夏王朝

著者:岡村秀典、出版社:講談社
 中国最古の王朝、夏王朝が実在していたことが紹介されています。
 殷に滅ぼされたという夏王朝は、果たして実在していたのか。永らく疑問視されていましたが、遺跡の発掘がすすみ、考古学によってその存在が裏づけられています。夏王朝のはじまりは前2070年、夏王朝から殷王朝への交代は前1600年という説が紹介されています。なんと、今から4000年も前のことになります。恐竜時代の1億年とかいうのと比べると、わずか4千年ですが、200年前の江戸時代を大昔と考える感覚からすると、チョー大昔すぎて言葉が見つからないことになります。
 発掘された遺跡によると、夏人は焼き肉を好んでいたが、次の殷人は煮た肉を好んでいたというのです。面白い違いだと思いました。

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隠し剣、狐影抄

著者:藤沢周平、出版社:文春文庫
 私の敬愛する山田洋次監督が『たそがれ清兵衛』に続く時代劇映画をつくった。その原作となった短編小説集。
 いずれも、藩内部の権力闘争を背景として、武士の日常生活が細やかに描かれるなかで剣士の秘術を尽くして闘う状況が描かれている。さすが藤沢周平だと感心しながら、上京する車中と機中で読み耽った。

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誰でもない男の裁判

著者:A・H・Z・カー、出版社:昌文社
 1950年代のアメリカ政治経済学者によるミステリー短編集です。
 「もし神がいるのなら、おれを殺してみろ」と作家が叫んだとき、銃声が鳴りひびいて、その作家は殺されてしまう。捕まった犯人は「声」に命じられただけとくり返すうちに、全国から助命、嘆願の声が殺到する。果たして犯人に責任はあるのか・・・。
 読ませるミステリーが、最後にきちんと謎ときされて載っています。なるほど、こんなトリックだったのかと感心して読んでしまいました。

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就職がこわい

著者:香山リカ、出版社:講談社
 わが家にも就職を先送りしている人間が若干いるので、他人事(ひとごと)ではありません。私自身は、会社に就職したら思想の変質を迫られそうで恐怖心を感じ、そのため資格試験としての司法試験へ逃げこみました。
 現在は、新卒の就職者の3割が3年以内に自己都合で早期離職する時代だ。職業決定を先延ばしにして当面のところは考えたくないという「猶予」と、努力をしない安易な決定である「安直」にあたるものはアメリカではみられず、これらは日本に特有の職業決定態度である。
 現実の私のまわりには、就職したくても不況のために仕事がないという若者がゴロゴロしています。そんななかの1人は、パチプロみたいに、朝から夕方まで毎日パチンコ店でスロットマシーンにうちこんでいます。これで月に10万円から20万円稼ぐのですから、これも立派な「職業」かもしれないとつい思ってしまいます。いけない、いけない・・・。

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ドンと鳴った花火だ

著者:國房魁、出版社:新日本出版社
 登場してくる子どもたちの笑顔が実に素晴らしい。見ているこちらの頬まで、ついゆるんできます。ほれぼれするほど生き生きした表情です。
 70歳の「おじいちゃん」がとった写真とはとても思えません。あれっ、野原の一本道を自転車をこいでいく少女の麦わら帽子が風で吹き飛ばされました。その瞬間の写真があります。なんと麦わら帽子にも女の子にもピントがあっています。やらせに
しても難しい写真です。
 4歳くらいの女の子がしなをつくっています。おヘソを写真にとって、とポーズをつくっているのです。色気を感じてしまいます。
 魚つりに出かけた兄妹が突然の大雨にハスの葉を傘がわりにした写真があります。私も、夏休みに、ひとりでザリガニつりに行ったとき、雨が降ってきたことを思い出しました。
 春の小川で、お兄ちゃんが妹の手をとって渡らせようとしているシーンがあります。春の陽差しがうららかに眩しく、子どもたちのホッペが赤く輝いています。
 文部省唱歌や童謡など、ついつい歌いだしたくなる写真集です。最近、少しくたびれたな。そう感じているあなたに、絶対おすすめの写真集です。

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始業前に昨日の仕事をすます人が成功する

著者:高井伸夫、出版社:講談社
 私も年齢をとったせいか、朝早く5時ころに目が覚めることが多くなりました。でも、私はトイレに行ったあと、顔を洗って水を一杯飲んでからまた寝ます。朝7時まで、もう一眠り、朝寝を楽しむ気分です。朝7時に枕元でシャンソンのCDが鳴って目を覚まします。しばらくフランス語を聴きとる練習を兼ねてシャンソンに耳を傾けます。15分たつと自動的に切れますので、そこでやおら起きあがります。これが、この10年来の私の1日の始まりです。
 著者は東京の高名な弁護士です。著書が30冊もありますが、私も何冊か読みました。いつもなるほどと感心しながら読んでいます。毎朝5時に起き、朝7時すぎには都心にある法律事務所に出て仕事をします。お客さんは朝8時からやってくるそうです。打合せは30分以内。アポは20分ごと。福岡にも早朝から事務所に出ている弁護士が私の知る限り4人います。電話がかかってこないので、集中して書面がかけるということです。
 事務局は、朝8時出勤し、夕方5時20分には帰宅。残業はありません。基本給20万円で、定期昇給なし。ただし、そのうえで、働きと能力にあわせて給料が支払われます。
 著者は火木の夜は自宅で夕食をとり、月水金は外で夕食をとっても二次会は断り、夜10時までに帰宅します。腕時計はもたず、目覚まし時計も使いません。朝食は私と同じで、野菜食か断食です。1年のうち30日は断食療法をしているという点が私と違います。偉いものです。
 仕事に優先順位をつけ、結論を急ぐなら今すぐする。明日まで待てるものは今日中にやる。来週にまわせるなら、週末にやる。これは私のモットーでもあります。仕事に追われるのではなく、仕事を追いかけるようにします。その方が精神衛生上、断然いいのです。
 いろいろヒントになる文章がたくさんある本です。

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サルの社会とヒトの社会

著者:島泰三、出版社:大修館書店
 サルは子殺しをするけど、ヒトはわが子殺しをする。本のオビにそう書かれていますが、まさにそのとおりです。
 弁護士になって、ヒトが自分の子どもを殺したという事件を身近に何件も体験しました。もちろん、親殺しもありました。
 では、ヒトより「下等な」サルやチンバンジー、ゴリラではもっとひんぱんに子ども殺しや親殺しがあるのでしょうか。いえ、そんなことはありません。サルやチンパンジーに子殺しはたしかにあります。しかし、著者は、それも人間がエサを与えていることと関係があるのではないかと指摘しています。いろいろ考えさせられる本でした。やはり、対比させて違いを考えることで、物事の本質をつかむことができます。私は学生時代のセツルメント活動でそのことをしっかり体験しました。

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古代エジプトうんちく図鑑

著者:芝崎みゆき、出版社:バジリコ
 オビに、全編イラストづくしの300頁。1日10頁、30日間楽しく読めば古代エジプト文明のすべてが身につく、とあります。読んでみて、それが決してウソではないと思いました。うんちく図鑑と銘うっているだけの内容はたしかにあります。
 古代エジプトのたくさんの王朝についても詳しく解説されています。それこそ、へえー、という感じです。ヒエログリフを解読したシャンポリオンって、本当に偉いと思います。ピラミッドがなぜつくられたのか、あれは一体何なのか、今も不明のままというのも大変気になります。一度は行きたいエジプト。でも、遠くて怖いエジプトという気がしています。うーん、行くべきか、行かざるべきか・・・、それが問題だ。

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友情について

著者:キケロ、出版社:岩波文庫
 紀元2世紀のローマ時代の哲学者です。
 友人同士の好意のなかに安らいを見いださない人生が、どうして生きるに値する人生たりえようか。まるで自分に語るように、安んじてすべてを語りうる人をもつことほどうれしいことがあろうか。
 友情は数限りない大きな美点をもっているが、疑いもなく最大の美点は、良き希望で未来を照らし、魂が力を失い挫けることのないようにするということだ。
 昔も今も、良き友だちこそ人生最大の財産です。

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江戸という幻景

著者:渡辺京二、出版社:弦書房
 江戸時代に関わる本はかなり読んできたため、すっかり雰囲気もつかんでいた気になっていましたが、この本を読んで、まだとんでもない、まだまだ、ちっとも分かっていないことを知ってがく然としました。江戸時代の人々がどのように考え、どのように生きていたのか、とてつもなく奥の深いものがあることを思い知らされる本です。すごく知的重樹を受けました。
 江戸時代の末期に日本にやって来た欧米人は、当時の日本人の陽気さ、無邪気さ、人なつこさ、こだわりのなさに深い印象を受けた。礼儀正しさと親切はもちろん感動的だったが、社会全体にみなぎる親和感と、何より人びとの心の垣根の低いことに彼らは魅せられた。人々は好奇心にみちあふれ、貴重な知識を求めるにきわめて真剣だった。
 江戸の人びとは、ことに触れて赤児のような純真きわまりない感情を流露する人々であった。旅先で病人を見かけると、決してそのままにしておかなかった。道中で事情のありそうな者を見かけると、決まって声をかけ、わが家に連れ帰ったりもした。
 幕末に来日した外国人は一様に日本人の宗教心の薄さ、とくに武士階級の無神論に注目している。ところが、彼らは相当な迷信家でもあった。
 仕事は決して労役ではなく、生命活動そのものだった。家業は近代でいう職業ではなく、運命が与えたその人の存在形態であって、家業に精を出すのは生命活動そのものにほかならなかった。うまくゆかなければ直ちに離婚して、何度でも結婚をやり直せばよいというのが江戸時代の婚姻常識だった。女にしても、貞女二夫にまみえずなとということはなかった。
 江戸時代の人びとは、何かにつけて、月、雲、花、鳥の声、虫の音を楽しむ心の持ち主だった。町人は武士という身分に対して、あまり恐れいっていなかった。武士とは町人にとって、一定の限界内で挑戦可能な存在であり、また、挑戦し甲斐のある存在でもあった。
 文政年間にオランダ出島の商館にいたフィッセルは、日本の裁判の厳しさについて、次のように述べている。「その厳しさは、社会のあらゆる階級に対して平等である。裁判は、もっとも厳格なる清潔さと公平さをもって行われると推量されるだけの理由はあると言える」
 安永年間に同じくオランダ出島にあったツェンベリも、「日本のように法が身分によって左右されず、一方的な意図や権力によることなく、確実に遂行されている国は他にない」と指摘している。恐らく彼らは、法を犯した大名や役人が確実に処罰される点を平等とか、身分に左右されないと表現した。
 裁判手続は、いかにも面倒なものだった。しかし、それでも人びとは  続として出訴した。公事(くじ、裁判のこと)のため滞在する人のための公事宿は安永年間に198軒あった。公事はやり甲斐があった。大人数が朝早くから評定所に詰めかけて、居る場所もないほどだった。裁判官は調停(和解)で事件を落着させようと必死で努力し、落着後は、心を開いて心境を述べていた。
 ウッソー、ホントなの・・・。世の中は、まさに知らないことだらけです。

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イラク大量破壊兵器査察の真実

著者:ハンス・ブリクス、出版社:DHC
 イラク査察団の委員長だった著者が、イラクの大量破壊兵器は1991年に廃棄ずみで、今度のイラク戦争時にはなかったことを明らかにした本です。
 要するに、アメリカが、イラク戦争の口実につかっただけだったことが今や明らかとなっています。
 サダム・フセインの恐怖政治を終わらせることを武力介入の唯一の目的としたのでは、アメリカもイギリスも、政府が議会の承認を得られる見込みはなかった。国連安保理から認められる可能性もないに等しかった。
 アメリカがイラク全土を実効支配して1年以上たちました。イラクに大量破壊兵器が隠されているのなら、高額の褒賞金目当てに科学者・技術者が当局にタレこんでいいはずだ。なのに、まったくない。というのは、もともとないからだ。著者のこの指摘はまったくそのとおりだと思います。にもかかわらず、アメリカもイギリスも、そして、それにいつものように追従する日本の小泉首相も自分たちの誤りを国際社会に対して認めようとしません。ひどい戦争屋たちです。

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内部告発者

著者:滝沢隆一郎、出版社:ダイヤモンド社
 うーん、よくできていました。東京の若手弁護士(38歳)が書いた小説ということですが、ともかく読ませました。損保会社内部のありそうな状況設定が簡潔に描かれ、雑誌記者の取材を受けただけなのに内部告発をした人間として会社から敵視されていくのです。裁判を取り巻く審理状況にも違和感なく、なるほどと思えます。
 弁護士が、自分の扱った題材などをテーマとして、素材から離れて小説化したら、すごく面白いものになると思ったものです。でも、自分は・・・?言うは易く、行うは難し、なのです。トホホ・・・。

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奪還〜引き裂かれた二十四年

著者:蓮池透、出版社:新潮社
 2004年10月10日現在、週間アクションに連載中の漫画ですが、大変読み応えのあるドキュメンタリーになっています。
作者は、北朝鮮の拉致被害者蓮池薫さんのお兄さん。『奪還総集編』として第11話まで掲載した漫画増刊号が販売されています。
 5人については帰還してめでたしめでたしで済ませている感のある報道では隠されている、拉致被害者本人と家族との
気持のすれちがいや日本政府の無責任な政治家の実名つきで指摘されています。報道は編集されてるんですね、未だに。
 ちなみに、漫画アクションは、女子高生コンクリート殺人事件をモチーフにした『17歳』という漫画も並行して連載しており(こちらも原作者は藤井誠二という上記事件を徹底取材したノンフィクションライターです)、とても『クレヨンしんちゃん』をかつて連載していた雑誌とは思われないヘビーな有り様なので(何せキャッチコピーが「タブーを斬れ!」ですから)、今度いつ休刊になるか分からないのですが、やはり漫画のもつインパクトは絶大で、まずは漫画から入ってもらえればと思います。

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韓国戦争、第4巻

著:韓国国防軍史研究所、出版社:かや書房
 朝鮮戦争は北朝鮮の金日成が仕かけた戦争であるということは今では歴史的に不動の事実だ。しかし、私も大学生のころはそれを認めていなかったし、認めたくもなかった。
 この本は、6巻シリーズとして刊行されているもので、第4巻は9月に出たばかりの最新刊だ。ここでは、中共軍が毛沢東の意向にそって朝鮮戦争に介入してソウルを奪還したあと、さらにアメリカ軍が韓国軍とともに再反攻し、いったん後退した中共軍が春季攻勢をかけている状況が細かく描かれている。
 最近の韓国映画『ブラザーフッド』を見た者としては、当時の戦況が刻明に描かれているので、戦場で死んでいった無数の人々に心から哀悼の意を表したいと思った。
 中共軍は54万2000人、北朝鮮人民軍が19万7000人の合計63万9000人。そして満州には中共軍の予備軍が75万人いた。対する国連軍は、26万9000人、韓国軍が23万4000人で、合計50万3000人。
 中国は、5次にわたって最大80コ師団を投入して、まさに人海戦術を展開した。しかし、圧倒的な火力と機動力を誇るアメリカ軍を制圧できなかった。中国軍は、攻勢作戦を1週間以上継続して遂行するだけの兵站支援能力がなかった。
 中共軍は、笛とラッパを鳴らしながら突撃する。これに対して、韓国軍は手動式のサイレンを鳴らして対抗したという。中国軍はベトナムへ侵略したときも、笛とラッパを鳴らしながら突撃してきたという記事を読んだことがある。30年たっても同じ手法だということに驚いた。
 韓国でのゲリラ戦も少し紹介されている。朝鮮戦争の内情と意味については、引き続き注目していきたい。

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拒否できない日本

著者:関岡英之、出版社:文春新書
 日本で今すすんでいる事態は、すべてアメリカの身勝手な要求であることを、アメリカ政府の公文書などによって裏づけた本です。
 たとえば、アメリカがなぜ日本にアメリカ型の経営制度を導入するよう圧力をかけているかというと、日本企業の社外取締役に就任したアメリカ人が、アメリカに居ながらにして経営をコントロールできるようにしているということ。
 また、国際会計基準を日本に導入させる狙いのひとつは、外資による日本企業の買収を妨げる系列(ケイレツ)や株式持ち合いの解消を促進し、外資が株を取得するチャンスを増やすことも含まれている。
 いま日本ですすめられている司法改革についても、弁護士や会計士などのアメリカの知的専門職業サービスの対日進出は、アメリカの他のサービス産業や製造業の対日進出の橋頭堡としても重要だ。つまり、アメリカの法律事務所が日本に根を張っていれば、アメリカ企業の利益になりそうなオイシイ日本の情報がどんどんアメリカに流れてくるし、アメリカ企業が日本の法律や制度の不都合な部分を改正するよう内政干渉したりするときの知恵袋として駆使することができる。このようにしてアメリカ企業にとって有利なビジネス環境を日本につくり出すという目的で、いまの司法制度改革がある。すなわち、アメリカ政府が日本の司法制度について改革を求める意図は民主化とはなんの関係もない。
 著者は、アメリカを批判すると、すぐに、それは日本の自己責任をアメリカのせいに転嫁する陰謀史観だという批判が出るが、まったくあたっていないと指摘しています。陰謀史観だというレッテルを貼って思考停止してはいけないというのには、まったく同感す。

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選挙参謀、三ヶ月で代議士になれる

著者:前田和男、出版社:太田出版
 私と同世代、つまり団塊世代の弁護士が東京での仕事にあきたりなく思って、地元の大阪から衆議院選挙に立候補し、公明党の候補に惜敗はしたものの、比例区で復活当選した。本書は、その選挙参謀が、選挙戦を総括した貴重な文献。いわば、選挙のウラ話が満載されている。
 しかし、著者も力説しているが、いまの選挙戦の実態は、政策を国民に問い、それで争う、というより、まさにイメージ選挙になっている。候補者を売りこむのに、マニフェストだとかイラストが中心で、その肝心な中味はあまり問題にされていない。あとはマスコミの関心をいかにひくかというだけ。これでは日本の将来は、お先まっ暗としか言いようがない。それでも、無名の新人が復活当選できたというのだから、本人のがんばりもあったと思う。
 その点、本人が団塊の世代の責任を問うていることは共鳴するところがあった。大学時代に紛争に関わっていながら、いま政治に関わろうとしないのは無責任ではないかということ。その点は、私もまったく同感だ。私は、大学紛争(この言葉を私は好きではない。私にとっては東大闘争としか言いたくない。なぜなら、それで死んだ人も身近にいるから。あれは生半可なものでは決してなかった)について、今の若者にその実相をぜひ知ってほしいと思って、いま本を書きつづっている。早く完成させたいと願って努力しているところだ。

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ホントに、こんな人と結婚していいの?

著者:石井希尚、出版社:主婦の友
 弁護士になって30年。法律相談でもっとも多いジャンルが離婚にからむ問題です。下手すると、毎日のように相談を受けます。でも、いまの日本が離婚率が一番高いと思っていると、それは違います。明治時代は今よりもっと離婚率は高かったのです。統計こそありませんが、その前の江戸時代にはさらに離婚は多かったと考えられています。「日本の女性は昔からひたすら夫(男)に忍従していた」なんていうのは、単なる思いこみにすぎません。私も、30年間、弁護士をしていて、そのことは体験的に確信しています。日々、女性の強さ、したたかさを実感しています。もちろん、昔から、弱い女性はいました。しかし、それ以上に弱い男も多いのが日本の現実です。
 ところで、この本は、そんなことを論じているわけではありません。同棲と結婚とは、異なることを力説しています。そうなんです。男と女が(セックスをともなって)一緒に生活していても、同棲と結婚とは決定的に異なるものなんです。つまり、結婚とは契約であり、同棲は権利も義務もないものなのです。うーん、そうなのか・・・。
 男にとって、女性の精神構造。そして肉体は永遠のナゾのようなものです。この本は、その点を理解しないと、結婚を維持することはできないと力説しています。ホントでしょうか・・・。私はなるほど、と思いました。一つの事実が、男の描くストーリーと、女のそれとが決定的に異なっていることを、著者の体験をもとにして語られているところは、大いに説得力がありました。

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新選組

著者:松浦玲、出版社:岩波新書
 近藤勇は、長文の手紙を何通も書いたという。しかし、従来の新選組研究に、その手紙がきちんと生かされていない。このことを著者は嘆いている。
 坂本龍馬と中岡慎太郎を殺したのは、新選組ではなかった(見廻り組が犯人)。しかし、近藤勇が流山で逮捕されたとき、坂本竜馬を暗殺したのは新撰組だと思っていた土佐人(谷干城が代表格)が寛容派の薩摩と激しくやりあった。薩摩の平田九十郎は、近藤勇の尋問が勝海舟や大久保一翁との関係に及ぶのを食いとめるのに懸命だったという。拷問もさせなかった。軍監(水戸人)が厳罰派だったため、20日以上ももみあった末に近藤勇は斬首され、東京と京都で首が晒された。
 新選組には新人が次々に入ってきたというのが驚きだ。京都での最盛時に200人、甲陽鎮撫隊で200人、五兵衛新田から流山では200人を超えた。函館で降伏したときにも100人の規模。その理由は、刀一本でまったく無名の浪士から幕臣になれるというコースは新選組以外にはありえなかった。徳川幕府支持の大枠のなかにいて武士になりたいと願う庶民にとっては輝ける登竜門だった。新人の多くは武州多摩の出身。多摩は、やがて自由民権運動の一大拠点となった。うーん、なるほど、そうだったのか・・・。
 それにしても、新選組の生き残りが1938年(昭和13年)まで生きていたというのには驚いた。90歳まで長生きし、作家の子母澤寛に新選組のことを語ったのは1929年(昭和4年)、81歳のときだった。うーん、新選組って、遠い江戸時代、幕末のころの話なんだけど、その登場人物って、明治、大正時代を経て昭和まで生きていたのか・・・。

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5万年前に人類に何が起きたか?

著者:リチャード・G・クライン、出版社:新書館
 5万年前にヒトは初めて解剖学的構造でも行動でも、現生人となった。二足歩行の類人猿のはじめのころは、うっそうとした木々に囲まれて生活していた。日陰の少ないサバンナにヒトが入りこんだのは170万年ほど前にすぎない。
 直立して威嚇することが、暴力を回避することができ、緊張状態を和らげて、死傷のリスクを減らした。
 ネアンデルタール人の脳容量は大きく、平均1520ccで現生人の平均より120ccも上まわる。ネアンデルタール人は、4万年ほど前に出現したアフリカ起源の現生人との競争に敗れて姿を消した。
 いずれにしろ、現代の人類が東アフリカ起源であることは、どの本を読んでも争いがない。白人も、もとをただせば黒人起源なのだから、威張る根拠なんて何もない。

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中国ビジネスの法務戦略

著者:范云涛、出版社:日本評論社
 京都大学で学び法学博士号をとり、中国の弁護士資格を得て、東京で渉外事務所で働いたこともある上海の弁護士の書いた実践的な本です。
 日本企業は中国で訴えられると、訴訟上の権利をやすやすと取り下げ、戦うことをあきらめてしまう行動パターンがよく見られる。決定時の遅さに引きかえ、紛争やトラブルが発生したときの対応時には、あまりにもあきらめが早く、潔い。このどうしようもない行動様式が、これまで多数の進出事例を決定的な失敗へと落とし入れていった。
 著者はこのように厳しい指摘をしています。なるほど、日本人にありがちな対応です。
 紛争発生時にあわてふためいて、泥縄式に弁護士を使うが、その時点では余分な出費を余儀なくされる。投資事業を始める時点から、現地の法律実務に明るい弁護士を採用し、顧問弁護士契約をかわすことを通じて、中国の最新法制などに関する情報が入手できる。顧問料は月に500〜600米ドルほどだ。
 著者はいくつもの失敗事例を紹介しています。身につまされる話ばかりです。
 これまでの日本企業の対応には次のような特徴がある。すなわち、不祥事が起きたときには、ひたすら紛争をおし隠そうとし、社内のクレーム処理部署のスタッフを利
用して、現地の顧問弁護士は使わない。本社にも報告せず、ひそかに事態をなんとか落ち着かせれば、もみ消せると考える。本社に紛争の詳細を報告せず、速やかな解消方法をとらず、弁護士にも迅速に相談せず、消費者に一定のお詫び金か手切れ金あるいは口止め料を払うという小手先の手段をもって終息させようと目論む。そうこうしているうちに、事件がマスコミ沙汰になって大きく企業イメージを傷つけられそうになった段階ではじめて、「救急車」「消防隊員」としての弁護士を思い出し、あわてて和解調停の労をとるように頼む。これが駆け込み寺方式。しかし、たいていの場合、すでに後の祭り。
 うーん、これはしかし、なにも中国への進出していった日本企業のことばかりではありませんよね。日本国内でも同じパターンでしょ・・・。
 ところで、この本によると、中国の弁護士は今13万人で、2010年までに30万人体制にする目標とのことです。そして、そのとき、国際弁護士を1万人以上確保するといいます。すごい計画です。
 2003年3月の全人代と全国政治協商会議に、弁護士による代表が初めて参加したとのこと。全人代には8人の弁護士、全国政治協商会議には5人の弁護士が参加したといいます。中国でも、やっと弁護士が市民権を得たようです。
 ところで、2003年3月、東北地方の吉林省人民法院の裁判官が中国史上初の弾劾罷免されました。担当している民事事件の当事者から宴会改めを受け、金員を受けとっていた事実が判明したからです。中国の裁判官の給料の低いことも原因のひとつのようです。
 四川省重慶市の高等人民法院では、裁判官の配偶者との間で、「夫の勤務時間外不正行為監督責任の委任に関する契約書」を取りかわしたといいます。裁判官のスキャンダル防止に、妻たちの女性パワーと圧力を借りようというものです。既に裁判官の99%の妻が署名しました。夫の犯罪疑惑を上司の通報すると、報奨金が妻に与えられるのです。
 うーん、そこまでするのか・・・。驚きました。

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概説・土地法

著者:須田政勝、出版社:明石書店
 宅地から国土開発・自然保護まで、土地をめぐる法律を体系的に概説した本です。500頁近い大作ですが、とても分かりやすい文章なのに感心しながら読みました。
 著者は、日弁連の公害問題対策委員会などで長く活躍してこられた大阪の弁護士です。私も一緒に活動したことがありますが、とても理論的に鋭く、その発言に何度も感心させられました。少し前に病気で入院し、自宅療養していたときに書きはじめたそうです。なかなかどうして、土地をめぐる法律を、全体として、これほど簡にして要を得て解説できるという才能にほとほと感心しました。基本的な用語を簡潔に定義づけ、類似語との違いもきちんとおさえていくあたりは、さすが実務家です。
 日本の農業人口は2800万人を割り、全就業者の4%しかなく、耕地面積も500ヘクタールを割っている。専業農家は43万戸しかおらず、2ヘクタールが専業できるかどうかの境目となっている。このような現状についての基本的なデータも満載され、日本の土地問題をめぐって全体を概観できる本として一読をおすすめします。

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拉致と強制収容所

著:北朝鮮による拉致被害者の救出にとりくむ法律家の会、出版社:朝日新聞社
 この本で圧巻なのは、なんといっても拉致被害者と目されている200人近い人々の顔写真です。私と同世代、つまり団塊世代が多いのですが、当時は高校生だった人が何人もいることに驚かされますし、かなり年輩の人もふくまれています。
 これらの人の全部が北朝鮮による拉致被害にあったと断定することはできません。しかし、曽我ひとみさんは、それらしき噂があっただけで拉致被害者と認定はされていなかったのです。ですから、300人以上、いや実はもっと多い日本人が拉致されてしまったのではないかというのです。これが人権侵害でないはずはありません。しかし、外交交渉による解決をめざすべきだという意見が人権擁護を最大のモットーとしている法律家団体のなかにあり、動いていません。なるほど、私も大いに反省させられました。
 完全統制区域というのがあるそうです。ここに入ったら、2度と生きては出られない地域です。革命化区域は、生きて出られる可能性が残っているところなので、まったく違います。北朝鮮には、強制収容所(公式には管理所)が5ヶ所か6ヶ所あり、15万から20万人が収容されています。
 まずは事実をきちんと認識すべきだという指摘には、私もまったく同感です。

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ほかの誰でもない私をさがして

著者:志賀こず江、出版社:講談社
 頭が下がりました。私と同世代、つまり団塊の世代の女性弁護士が生いたちから今までの自分を、実にあからさまにさらけ出しています。大変な苦労だったと推察しました。それでも、ジメジメしたタッチで描かれていないところに救いがありました。
 親の経済的な行き詰まりから、大学へ進学できずJALのスチュワーデスになります。しかし、どこか自分にあわないものを感じ、結婚もして退職。親の面倒を見ながら通信教育で学び、慶応大学を卒業。でも、それではあきたりません。一念発起して司法試験をめざします。13回の挑戦で、ついに合格。13年間、主婦業をやりながら司法試験をめざした著者の粘り強い努力にほとほと脱帽しました。しかも、病気の親や夫をかかえ、その面倒をみながらなのです。すごいものです。並みたいていの努力ではありません。同世代でありながら、ぬくぬくと勉強に専念できたことが恥ずかしくなってしまいました。
 著者は横浜での5年間の検事生活のあと、いまは東京で弁護士をしています。犯罪被害者支援活動にも取り組んでいるそうです。大阪の大平光代弁護士の本(『だから、あなたも生き抜いて』)にも心を揺さぶられましたが、この本にも深い感動を覚えました。つくづく、女性は弱い、されど女性は強い。そう思いました。

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統治崩壊

著者:江上剛、出版社:光文社
 著者は第一勧業銀行に入って26年間つとめ、49歳になって支店長のときに早期退職制度に応募してやめた。第一勧銀が総会屋に不正な利益を供与したとして役員11人が逮捕され、1人の自殺者を出したときは、広報部の次長だった。事件後に、警察の保護対象となりながらも、不透明な取引の根絶、総務部の廃止、コンプライアンス体制の構築を目ざした。しかし、次第に社内「革命」は色あせていった。この本は、著者の実体験をもとに書かれた小説だから、なるほど銀行内の動向に迫力がある。
 いま、大銀行の合併が相次ぎ、多くの銀行が名前を変えた。合併した銀行内では、旧行の行員がグループをつくって醜い派閥争いをくりひろげた。先日、専門家の講演を聞いたところ、いずれも既に大勢は決着がついたという。勝ち組、負け組に区分されて一緒に仕事をするのも嫌な気分だろうと思うが、それも仕方のないことかもしれない。
 銀行は、昔も今も、暴力団を育てている最大の温床のような気がしてならない。これも資本主義ニッポンの仕方のないことなのだろうか・・・。

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ドクター・タチアナの男と女の生物学講座

著者:オリヴィア・ジャドソン、出版社:光文社
 なぜ、この世にオスとメスがいて、お互いに求めあうのか、考えてみれば実に不思議なものです。いや、最近の日本社会では結婚しない若者が男女を問わずに増えています。だから、民族としての日本人は、いずれ消滅すると予測されています。
 オスとメスが互いに求めあうというのは美しい話ばかりではありません。それぞれ生命をかけた闘争の成果として子孫を残そうともしています。その努力にも涙ぐましいものがあります。
 動物も昆虫も、みんなセックスで悩んでいる。本のオビにこう書かれています。なるほどそうです。週刊誌のセックス談義のように軽いノリの質問に、ごくごく真面目な回答がなされています。真面目な、しかし、アッと驚くような話のオンパレードです。

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修理

著者:足立紀尚、出版社:ポプラ社
 モノが壊れたら修理して、また使うというのが以前は当たり前のことでした。自転車のパンク修理というのも日常茶飯事でした。ズボンのかけはぎはもちろん、靴下(足袋)のつくろいもごく普通のこと。誰も不思議に思いませんでした。
 ところが、今では修理してくれるところがありません。修理するより新品を買った方が、よほど安あがりなのですから、仕方ありません。
 この本には、刀剣の研ぎ直しや仏像の再生から、万年筆やライターそして、登山靴からフツーの靴まで、いろんなモノが修理によってよみがえって再利用されていることが紹介されています。
 なかでも私が感動したのは、古文書の修理で昔ながらの麩糊(ふのり)が使われているということです。これは何度でも付け外しが利くという長所があるので、次ぎに修理される数百年後にも間違いなく修理ができるように、という配慮からなのです。化学製品の接着剤を一切使わないというのに、私はお見事と手をうってしまいました。

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韓国映画躍進の秘策

著者:金鍾文、出版社:現代書館
 私が最近見た韓国映画は、新しい順に並べると『ブラザーフッド』『シルミド』『おばあちゃんの家』『二重スパイ』『JSA』『シュリ』『チング〜友へ』『春香伝』『風の丘を越えて〜西便制』があります。
 いずれも、その素晴らしさと迫力に圧倒されてしまいました。日本で封切られなかった『南部軍』は今もぜひ見たいと思っています(誰かビデオを貸して下さい)。
 韓国映画の躍進の秘密にスクリーン・クォーター制度というものがあります。1年のうち5分の1は韓国映画の上映を映画館に義務づけるというものです。これが韓国映画を飛躍的に発展させました。
 映画は、その国の文化レベルをあらわす指標です。韓国の文化レベルがすごく高いことに感心するにつけ、日本も負けないように映画を助成すべきだと思います。

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愛か美貌か −ショッピングの女王4−

著者:中村うさぎ
 とうとう、ホスト狂いになられました(笑)。「自分のナルシズムを満足させるために他人を批判する人間の方が、誰も傷つけずに無駄遣いして勝手に自己満足する人間より困った存在ではなかろうか」さすがは女王様、おっしゃる通りでございます。なでしこ姫もミーハーといわれようが、貪欲快楽人生を貫きます(笑)

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窓際OLトホホの朝ウフフの夜

著者:斎藤由香
 こんな「面白い会社」に雇われたい。でも、この業界?も面白さでは負けてないかも。実は密かに「ワンダーランド」だと思っている。暴露?本出版して作家デビュー・・なんて妄想がよぎりますが「品位を害した非行」なんてことになったら大変なので、内心の自由にとどめます(笑)

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アフリカの瞳

著者:帚木蓬生
 「国境なき医師団」の人たちはこんな状況なんだろうか・・・と思いながら、静かに涙しました。悪に立ち向かう勇気・・できそうで、なかなかできません。

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歳時記を生きる

著者:岸本葉子
 季節の移り変わりっていいなぁ。先月はブーツと桃、今月は手袋と栗、来月は・・と食欲と物欲があると1年なんてあっとう間だわ(笑)。いえいえ、9月といえば中秋の名月、風流な心も忘れてませんから。

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脳みその研究

著者:阿刀田高
 この方の作品はどれも必ず「へぇ〜〜〜」と思うあり。知識人阿刀田ワールド・・・それは頭の中で繰り広げられるミラクルくるくる・・です。

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おどろき箱1

著者:阿刀田高
 箱をあける瞬間ってわくわく・・例え中身がわかっていたとしても、なんとなく「おぉ〜」って気になる。阿刀田ワールドの素敵な箱に入ったファンタジーです。

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