弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年10月 1日

イラク大量破壊兵器査察の真実

著者:ハンス・ブリクス、出版社:DHC
 イラク査察団の委員長だった著者が、イラクの大量破壊兵器は1991年に廃棄ずみで、今度のイラク戦争時にはなかったことを明らかにした本です。
 要するに、アメリカが、イラク戦争の口実につかっただけだったことが今や明らかとなっています。
 サダム・フセインの恐怖政治を終わらせることを武力介入の唯一の目的としたのでは、アメリカもイギリスも、政府が議会の承認を得られる見込みはなかった。国連安保理から認められる可能性もないに等しかった。
 アメリカがイラク全土を実効支配して1年以上たちました。イラクに大量破壊兵器が隠されているのなら、高額の褒賞金目当てに科学者・技術者が当局にタレこんでいいはずだ。なのに、まったくない。というのは、もともとないからだ。著者のこの指摘はまったくそのとおりだと思います。にもかかわらず、アメリカもイギリスも、そして、それにいつものように追従する日本の小泉首相も自分たちの誤りを国際社会に対して認めようとしません。ひどい戦争屋たちです。

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