弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年10月 1日

ホントに、こんな人と結婚していいの?

著者:石井希尚、出版社:主婦の友
 弁護士になって30年。法律相談でもっとも多いジャンルが離婚にからむ問題です。下手すると、毎日のように相談を受けます。でも、いまの日本が離婚率が一番高いと思っていると、それは違います。明治時代は今よりもっと離婚率は高かったのです。統計こそありませんが、その前の江戸時代にはさらに離婚は多かったと考えられています。「日本の女性は昔からひたすら夫(男)に忍従していた」なんていうのは、単なる思いこみにすぎません。私も、30年間、弁護士をしていて、そのことは体験的に確信しています。日々、女性の強さ、したたかさを実感しています。もちろん、昔から、弱い女性はいました。しかし、それ以上に弱い男も多いのが日本の現実です。
 ところで、この本は、そんなことを論じているわけではありません。同棲と結婚とは、異なることを力説しています。そうなんです。男と女が(セックスをともなって)一緒に生活していても、同棲と結婚とは決定的に異なるものなんです。つまり、結婚とは契約であり、同棲は権利も義務もないものなのです。うーん、そうなのか・・・。
 男にとって、女性の精神構造。そして肉体は永遠のナゾのようなものです。この本は、その点を理解しないと、結婚を維持することはできないと力説しています。ホントでしょうか・・・。私はなるほど、と思いました。一つの事実が、男の描くストーリーと、女のそれとが決定的に異なっていることを、著者の体験をもとにして語られているところは、大いに説得力がありました。

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