弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2019年5月31日

経済学者の勉強術

人間


(霧山昴)
著者  根井 雅弘 、 出版  人文書院

たくさん本を読み、たくさん書評を書いている人のようですが、申し訳ないことに、私はまったく知らない人でした。私もたくさんの本を読み(この30年間、年間500冊を下回ったことはありません)、たくさんの書評(この20年近く、1日1冊の書評も欠かしていません)を書いていますので、大いに共感するところがある本でした。
読書は、自分の好きな本を読めばよい。
時間は、30分でも1時間でもよいから、無理してでも作ったほうがよい。30分でも、毎日、継続的に読書に励めば、1年、5年、10年とたつうちに大きな力となるだろう。
30分でも、長年実践していると、新書1冊ぐらいは読めるようになる。私も電車のなかで、たいていの新書は30分で1冊読んでしまいます。専門書でも、30分で1章ほどは読めるようになる。継続が大事である。
私が著者に絶対かなわないのは、専門書のなかに英文も含まれているということです。私は法律書(もちろん日本文)なら、それなりに早く読めますが、英語もフランス語も、まるでダメです。
本は買って読む。自分の所有物なら、どこに線を引こうと書き込みをしようと自由である。
文章は理路の通ったものであるだけでなく、魅力ある生きた文章を書きたいもの。あまり平板な文章が続くと、読者がついていけない。
いやはや、本当にそのとおりなのです。その点も、私の永年の課題です。分かりやすく書けるようにはなったつもりなのですが、味わい深さがまだまだです。
書評は読んだ本の悪口は書かない。欠陥の多い本なら取りあげなければいいだけのこと。本当にそのとおりです。私は読んだ本の7割を書評として紹介するようにしています。それも、なるべく本の内容を紹介するのを主体としています。忙しい読者に、ほら、こんな内容なんですよ。もっと読みたくなったでしょ。ぜひ、手にとって、あなたも読んでごらんなさい。そう呼びかけています。
「私が」とか「我々は」、「彼らは」といった主語は、日本語の文章では省略されるもの。ただし、学術雑誌は違う。英文では、必ず主語が必要だ。
自分の稼いだお金で本を買い続けることが大切だ。自分の蔵書が少しずつ確実に増えていくことは「知的生活」のために必須だ。
私もこれを永らく実践してきましたが、70歳になって、一大決心し、蔵書の2割を捨てて、本箱は背表紙が見える状態に整えることにしました。この10連休に、かなり達成しました。すると、今までの読書遍歴をたどることも出来て、なんとなく豊かな気分に浸ることができました。
(2019年1月刊。1800円+税)

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