弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2021年10月18日

植物のいのち

生物(植物)


(霧山昴)
著者 田中 修 、 出版 中公新書

100歳をこえた日本人は1963年に153人だったのが、2020年には8万450人。すごい増えかたです。そして、世界には45万人もいるのです。いやはや、地球環境の悪化による食糧危機というのは、どうなっているでしょうか...。
世界中に存在する木は3兆4000億本なのだそうです。地球上の人口は75億人だから、1人あたり400本になります。
そして、木の長寿番付は...。屋久島の縄文杉は3000年でしょうか。アメリカには、樹齢4700年のブリッスルコーン・パイン(イガブヨウマツ)があるとのこと、すごーいですね。
食虫植物も光合成はしている。ただ、虫からタンパク質などの窒素をふくんだ物質を手に入れている。ふつうの植物は、窒素をふくんだ栄養分を土の中から吸収している。
レンゲソウは、根の粒々の中に住まわせている根粒菌が空気中の窒素を窒素肥料に変えることができる。
大賀ハスは、2000年も前のタネが発芽したもの。一般的にタネは、悪条件に耐え、発芽せずに発芽のチャンスを待ち続けることができる。
紫外線は、人間にも植物にも同じように有害。植物は、からだの中で発生する「活性酸素」を消去する術を身につけている。その抗酸化物質がビタミンCとビタミンE。
ジャガイモのイモは茎(くき)なので、光があたると緑色になる。これに対して、サツマイモのイモは根なので、光があたっても緑色にはならない。
サツマイモが花をさかせるためには、「暖かい長い夜」が必要。本州では、夜が長い秋は暖かくないので、花は咲かない。なので、夜が長い秋にも暖かい沖縄では花が咲く。だから、サツマイモの品種改良は、サツマイモの花が咲く沖縄で行われた。
チューリップは、タネをまいて花が咲くまで、5年か6年はかかる。なので、球根を植えて、翌年、花を咲かせる。
アメリカのユタ州のフィッシュレイク国立森林公園には、樹齢8万年というカロリナポプラの木がある。その根は8万年も生き続けていて、地上面に4万本も木を茂らせている。その面積は、東京ドーム9個分の43ヘクタール。いやあ、すごい木ですね...。
キンモクセイもジンチョウゲも、どちらも日本には雄株だけ。なので、挿し木で増やしている。タネができないからだ。
植物の不思議を少しだけ知ることができました。
(2021年5月刊。税込946円)

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