弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2019年10月28日

魚たちの愛すべき知的生活


(霧山昴)
著者 ジョナサン・バルコム 、 出版  白揚社

魚をめぐる驚きの本です。なんと魚は、ゆたかな生活を営んでいて、知覚し、意識し、苦痛を感じる生きものだというのです。ええっ、そ、そんな、嘘ではと、つい叫びたくなりますが、どうやら本当のようなんです。だったら、刺身とか、踊り食いなんて、食べられませんよね・・・。
魚は、ただ生きているのではない。魚には魚の生活がある。魚は、ものではなく、生きて暮らしている。一匹ずつ性格と個性と社会関係をもつ、一個の存在なのである。計画し、学習し、感じ、創造し、なだめ、企む。恐怖やたのしさや痛みを感じ、遊び心もある。よろこびだって魚は感じ、知っている。
魚の4種に1種(8000種)は、なんらかのかたちで子の世話に励む。卵を守ったり、ひ弱な稚魚をしばらく世話したり・・・。
サメは胎盤のあるものもいて、胎仔は母体を出るまで、へその緒を通して栄養物質を与えられる。
魚には、音の調子、とくに旋律を聞き分ける能力がある。
コイもキンギョも、音をつかって意思伝達している。
人間と同じように、魚にも舌と味覚受容体がありこの受容体から、神経を介して脳に味覚の信号が送られる。魚の味蕾のほとんどは、口と喉にある。
魚は、よく楽しそうに互いに触れあう。
キンギョは色を識別できる。
魚は、ずっと前のことを覚えている。
魚は柔軟で、好奇心も旺盛だ。
魚には社会性のある生きものだ。一緒に泳ぎ、姿やにおいや声などの感覚情報で、他の個体を識別し、つかう相手を選び、協力する。
魚の群れには、ショールとスクールの二つがある。
魚の世界で子育てを主として担っているのは、メスではなく、オスのほうだ。
魚たちについての驚きの話が一杯のショッキングな本です。面白いですよ、ぜひご一読をおすすめします。
魚釣りが好きな人、寿司屋によく行く人も、ぜひ読んでほしいものです。
(2018年11月刊。2500円+税)

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