弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年10月20日

徹底批判、カジノ賭博の合法化

社会

(霧山昴)
著者 吉田 哲也 ほか 、 出版 合同出版 

九弁連(九州弁護士会連合会)が9月下旬に宮﨑でギャンブル依存症に関するシンポジウムを開いたとき、会場の外で吉田哲也弁護士から買い求めました。全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会が編集した冊子です。
カジノは、他人の不幸の分だけもうかるという、「不幸をまき散らすビジネス」である。
ところが、このカジノを日本でもやれるようにしようという自民党議員を先頭とする集団がいます。まさしく、自分さえ良ければ他人がどんなに不幸になってもかまわないという利己主義の固まりの連中です。国会議員を名乗っているのが恥ずかしくないのでしょうか・・・。
日本のカジノ賭博は、日本人をターゲットにしている。来日外国人はあてにしていない。
ところが、日本はすでに世界最大のギャンブル大国である。
競輪、競馬、競艇、オートレースに加えて、18兆円の売上を誇るパチンコ・スロット店をふくめたら、世界最大のギャンブル国なのである。全国のパチンコ・パチスロ店は、1万2千店以上ある。
ギャンブル依存症の比率は、男性で9.6%で、ダントツの世界一。そこに日本版カジノが加わろうとしている。売上予想は2兆円。
世界最大のカジノ企業であるラスベガス・サンズは、31億ドルという高収益を誇っている。マカオで7割、シンガポールで2割をかせいでいて、アメリカ国内の占める比重は1割でしかない。
そして、この会社は、株主に21億ドルもの配当をしているが、その7割はオーナー一族のポケットに入ってしまう。会長に還元されているわけではない。
ギャンブル依存症は、薬物依存と同じで、脳に機能変化をもたらしている。ドーパミンをふくむ脳の機能異常とギャンブルがやめられない行動は密接に関連している。ギャンブル依存症の二大症状は、借金と嘘。
ギャンブル依存症に有効な薬物治療法はない。
いちど依存症になると、脳には、一生その回路が残る。
アメリカでは一般受刑者の30%がギャンブル依存症だといわれている。
日本では、ギャンブル依存症の60%に500万円以上の借金があるというレポートがある。韓国ではパチンコ店が禁止されました。日本も見習うべきです。そして、韓国にはカジノがあり、社会問題になっていますが、それでも、ソウルから離れた不便なところにあります。 
日本では、交通至便のところやハウステンボスのようなレジャー客の集まるところにカジノをつくるというのです。とんでもない計画だと思います。許せません。プンプンプン・・・。
(2014年8月刊。1200円+税)

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