弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年5月16日

荒野の庭

著者:丸山健二、出版社:求龍堂
 芥川賞を受賞した作家だそうですが、私は小説を読んだことはありません。ただ、この本に出ている文章には、たしかにハッとさせられる鋭いものがあります。
 自分の人生を生きるのに、何の遠慮がいるものか。ここら辺りでひとつ居直ってみよう。そして、生きたいように生きてみよう。
 なるほど、そうですよね。私も、ずい分前から、したくないことはしないようにしてきました。カラオケのあるスナックなどには行きたくもありません。たいていの演歌は聞くだけで虫酸が走ってしまいます。ホステスさんに下手なおべっかをつかいたくもないので、クラブにも足をいれたくありません。ゴルフとかテニスなど、集団で競技するより、庭をひとりウロウロして、雑草を抜きながら、花を愛で、四季折々の風の香りをかぎつつ、鳥と声をかわしあうのが自分の性にあっているのです。近くの山々の緑を眺め、空の色が暮れ泥(なず)んでいく様子を見ていると、その一瞬が地球創世の貴重なひとときにも思えてきます。
 著者は長野県の山中に居を構え、庭をつくり、そこに花と樹を植え、世話をしながら1年半に1作の小説を書くということです。さすがに花や樹々の写真が実に生き生きしています。水もしたたる美人。そんな言葉がぴったりの花がうつっています。なにしろ花びらに本当に水玉がのってころがっているのです。紅いクレマチスの花が出ています。我が家にもクレマチスをたくさん植えています。気品のある純白のクレマチスの花を見るといつも、心がハッとときめきます。花にはチョウがやってきます。生き物は人間だけではないのです。私も、花が咲くと写真をとります。ほどよくとれた写真はみんなに見てもらいたくなって、弁護士会に売りこみます。月報の一面を飾ったこともあります。わが子のようにうれしく思いました。大自然を身近に感じながら生きるのは、うれしいものです。これも私が年齢(とし)をとった証拠でしょうか・・・。
 このブログに私のとった写真をのせて皆さんにお見せしたいとかねがね思っていましたところ、トラックバックにマコさんの素敵な写真がのっていました。風に揺れるクレマチスって、本当に風情がありますよね。赤紫色の花弁のクレマチスは奥ゆかしい深みがあります。雨にうたれてひっそり咲いている純白の花弁のクレマチスはえも言えぬ気品があります。冬の花たちが次々に紹介されますので、眺めていて飽きることがありません。まさに癒しの写真です。マコさん、ありがとうございます。

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