弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年11月10日

新西遊記

著者:小島一夫、出版社:批評社
 この夏シルクロードに出かけたので、シルクロードの先の観光案内のつもりで読んだら、とんでもない間違いだった。シリアスなインド、パキスタンに関する本なのだ。
 インドの仏教徒は700万人。しかし、これは、ヒンズー教のカースト差別に抗議して改宗した人がほとんど。だから、ネオ・ブッディストと呼ばれている。ところが、ヒンズー教徒の側からすると、お釈迦さまもヒンズーの有力な神様であるビシュヌの9番目の化身にすぎないので、お釈迦さまもヒンズー教の一神なのだ。ということは、新仏教徒もヒンズーの一派ということだから、不可触賤民が新仏教徒になっても、ヒンズー教の枠のなかにあって最下位には変わりないということ。うーん、そういうものなのかー・・・。
 プーラン・デビというインドの女性国会議員の伝記を読んだ。彼女は、まさに不可触賤民の出身。盗賊団の首領にもなった。ところが、彼女は自宅を襲撃され、至近距離から銃弾を頭に撃ちこまれて即死する。犯人は報復しただけだと叫んだ・・・。
 イスラム教徒が、インドに2億人、パキスタンとバングラデシュに合計3億人、インドネシアに2億人、マレーシアとフィリピンに2千万人ずつ、アジアに10億人もいる。中東のイスラム人口より多い。えーっ、そうなの・・・?
 宗教戦争。宗教が異なるだけで殺しあうというのは、まったく理解できない・・・。

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