弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年5月 1日

縄文論争

著者:藤尾慎一郎、出版社:講談社選書メチエ
 縄文文化は1万年以上も続いたそうです。西暦2000年の5倍ですから、考えてみると気の遠くなるほど長い時間です。それが未開の文明なき時代かというと、さにあらず。縄文式火炎土器の見事さには目を見張るものがあります。青森市にある三内丸山(さんないまるやま)遺跡に私も行ったことがありますが、六本のクリの巨木をつかった高層建物などは、超高層ビルを見慣れている私たちを驚かします。
 縄文人の身長はやや低く、男性で156〜159センチ、女性は148センチ。手足の骨は頑丈。頭でっかち。顔の輪郭は正方形に近く、眉間が突出し、鼻根部がやや陥没しているので、立体的な顔をしている。眉毛はこく、目は大きく二重まぶた。口唇はやや厚め、顎は頑丈で、エラが張っている。
 著者は、在来人と渡来人との協力によって弥生時代へ変わっていくという考えです。渡来人との接触によって変更を可能とした在来人は、それまで蓄積した経験と技術を生かし、新たに手に入れた最先端の道具をつかって次々に水を水田を拓いていく。縄文時代にはコメをつくっていたのです。

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