弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年4月 1日

路上に自由を

著者:小倉利丸、出版社:インパクト出版会
 Nシステムのカメラが最近やたらに目立つ。私は毎朝、通勤途上にあるカメラをにらみつけています。朝から不愉快です。街頭の監視カメラには、もう慣らされてしまいました。我らの日常生活が知らないうちに撮影され、いつも録画されているのかと思うと、嫌な気分になります。
 新宿・歌舞伎町には街頭防犯カメラが50台設置されている。ひところは犯罪発生が減ったと言われたが、今また元通りになった。つまり、監視カメラが犯罪の抑止力になるというのは神話にすぎない。なぜなら、カメラにはどうしても死角がつきものだから、悪どい人間はカメラの裏をかこうとするからだ。
 大阪地裁は「あいりん地区」の15台の防犯カメラのうち1台の撤去を命じた。それは解放会館の斜め前に設置され、そこを出入りする人を常時監視して録画までしているからだった。イギリスには、現在、公私をふくめて250万台もの監視カメラがある。日本も、そのうちイギリスのようになるのでしょうか・・・。まるで恐ろしい監視社会です。考えるだけでもゾッとしてしまいます。
 Nシステムの監視カメラは、福岡県内には31ヶ所、高速道路に11ヶ所あり、全国802ヶ所の4%を占める。このNシステムは「犯罪防止」のためにだけ使われているのではない。そのことを、マスコミはもっと世間に知らせるべきだと思います。
ところで、あなたもNシステムのカメラって見たことありますよね?
 北九州で、この10月に開かれる九弁連大会のシンポジウムのテーマがこれに決まったそうです。

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