弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年3月 1日

大江戸日本橋絵巻

著者:浅野秀剛、出版社:講談社
 江戸時代の人々がどんな生活をしていたのかに関心をもっている人には必見の本です。なにしろ三越デパートの前身である三井越後屋から、コンビニの先祖様まで、お江戸・日本橋近辺の商店街と、そこを行きかう人々1700人が表情豊かに描かれているのです。全長12メートルという、すごい絵巻です。残念なことにドイツのベルリンに原図はあります。
 商店の様子を見ても面白いのですが、やはり、道行く人の表情に魅かれます。足の不自由な人も歩行器をつかって町を行きます。ひな祭りの飾り人形も道路中央で売られています。武士も商人も、往来ではのびのび歩いていて、身分の差を感じさせません。女性も子どもも、のびやかに歩き、まるでお祭りでもあっているようです。
 新聞号外を読みあげる男たちがいて、人々が輪になって聞きいっています。乞食も1人だけ描かれています。ケンカして拳(こぶし)を振り上げている男たちもいます。
 絵を見るだけでも楽しいのですが、詳しい解説がついていますから、江戸の様子がさらによく分かります。店には道路に張り出して看板がたっています。これは京都や大阪では禁じられていました。今も、東京ではネオンサインがすごく華やかですが、江戸時代からの伝統なんですね。でも、ヨーロッパに行くと、日本のように華やかな看板はなく、昔のままの都市景観が維持されていて、考えさせられます。
 ビジュアルに江戸情緒を味わえる本です。

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