弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年1月 1日

シュピルマンの時計

著者:クリストファー・スピルマン、出版社:小学館
 『戦場のピアニスト』は感動的な映画でした。『シンドラーのリスト』とはひと味違いますが、同じように心打たれる実話です。
 主人公のピアニストであるシュピルマンの長男が日本に、それも福岡に住んでいて、奥さんが日本人だなんて、不思議な縁を感じます。
 シュピルマンは戦後結婚して2人の子どもをもうけた。そして、88歳まで長生きすることができた。シュピルマンはユダヤ人ではあったが、ユダヤ教徒ではなかった。ふつうのポーランド人として生活し、ユダヤ人と意識してはいなかった。
 シュピルマンを助けたドイツ将校はナチス幹部ではなく、ドイツ国軍の将校だった。もとは高校の教師であり、シュピルマンに出会ったときは、靴磨きを探していた。映画の日本語字幕には出なかったが、シュピルマンに対して敬語を使って話した。
 シュピルマンは、過去の辛い体験を思い出したくないため、過去を思い出す時間を自分に与えないよう、ピアノを一日中弾き続けた。あの記憶をピアノの音で封印し続けていたのだ。
 映画をみたときの感動の余韻に改めて浸ることのできる本でした。

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