弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2020年8月29日

読み聞かせ絵本100

人間


(霧山昴)
著者 佐藤 亮子 、 出版 玄光社

男女4人の子ども全員を東大医学部(理Ⅲ)に入れた佐藤ママおすすめの絵本100冊が紹介されています。私の子どもたち、そして今は孫に読んで聞かせているのもチラホラありましたが、この大半は知らない絵本です。
あぐらをかいて小さい子どもをそのなかに座らせて本を読み聞かせするのは、人生の至福のひとときだと、私もつくづく思います。
佐藤ママは、絵本の読み聞かせをすることで、「この世の中は楽しいよ」ということを小さな子どもたちに伝えられたらいいですね、と書いています。まったくそのとおりです。
現実には、いろんな嫌なこと、大変な苦労もさせられるわけですが、それでも人生って、笑って過ごせるものなんだよと子どもたちに伝えたいと本気で思います。
絵本は淡々と読むのではく、高めの声、低めの声、かわいい声、怖い声、いろいろ変化をつけて、登場人物になりきって読んであげるもの。佐藤ママも声色は大事ですと言っています。
悲しい話を読んでいると、途中で声が詰まってしまうことがあります。先日も、孫が「あれっ」という顔をして私を見つめました。
佐藤ママがおばけの話をおどろおどろしく読んでいると、子どもたちの顔が不安でいっぱいになっていく。そして、クライマックスに来たとき、突然大きな声を出す。すると、みんなびゅーっと遠くに一目散に逃げていく。毎回同じなのに何度もやっても同じ反応をするので、佐藤ママは、そんな子どもたちの様子が可愛くて大笑い。すると、ママが笑っているのを見て、子どもたちは安心して戻ってくる。
本当にそうなんですよね...。こんなことがあるから、本当に楽しい絵本読み聞かせです。
佐藤ママは、4人のこども全員に1万冊の絵本を読み聞かせしたとのこと。たいしたものです。この本は、そのなかで選び抜いた絵本を100冊紹介しています。
私の大好きなかこさとしの絵本や滝平二郎の絵本が紹介されていないのが少し残念でしたが、世の中には、こんなにステキな絵本の世界が広がっているというのをまず大人が知って、それを子どもたちにも広め、一緒に楽しみたいものです。
佐藤ママの配偶者(弁護士)から、いつものように贈呈していただきました。いつも本当にありがとうございます。
それにしても、写真と文章と、その組み合わせのすばらしさに驚嘆しました。さすが編集のプロが扱うと、こんな素敵な本ができるのですね。
(2020年4月刊。1600円+税)

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