弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2020年2月18日

おりとライオン

司法


(霧山昴)
著者 楾 大樹、 今井 ジョージ 、 出版  かもがわ出版

けんぽう絵本です。先日、久留米で楾(はんどう)弁護士の憲法講座に参加しました。そのとき買ったのが、この「けんぽう絵本」です。
子どもから憲法の役割がわかる絵本、できました。そうです。憲法の入門書『檻の中のライオン』が絵本になったのです。
楾弁護士の話は途中10分休憩があるものの、なんと2時間以上ぶっとおしです。ところが、スライドを使いながら、小さなぬいぐるみ人形をつかいながらで、あっという間にすぎてしまいます。
私の前に小学5年生の男の子がすわっていました。福岡の女性弁護士の息子です。あとで憲法のことがとてもよく分かったと感想を言っていたそうです。
私も、まったく同感です。憲法は国の理想を定めたものだと安倍首相は常にもっともらしく言います。教科書にも、社会のルールを定めたものとしか書かれていないとのこと。
憲法って、そんなものじゃありません。悪いことするか分からない安倍首相のような不届き者をきつくしばるためにこそ憲法があるのです。
口から出まかせのことを国会の場で堂々と開き直っている安倍首相ですが、その言動は、まさしく憲法をふみにじるものです。この点は、国民の側に「不断の努力」が欠けている(弱い)のだと私は思います。
どうぶつたちは、どうにかこうにかライオンをおさえつけました。そして、きまりとおりをつくっておりにライオンをいれました。きまりには、ライオンがしなければならないことと、ライオンがしてはいけないことをかきました。このたいせつなきまりとおりがけんぽうです。
けんぽうは、わたしたちのしあわせやじゆうをライオンからまもってくれる、とてもたいせつなきまりなのですね。
小学生の子どもたちに、ぜひ読ませたい絵本です。
(2019年8月刊。1400円+税)

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