弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2019年3月24日

独楽の科学

社会


(霧山昴)
著者 山崎 詩郎 、 出版  講談社ブルーバックス

世界コマ大戦なるものがあるそうですね。初めて知りました。
形もサイズも重さも、さまざまなコマが紹介されています。
そう言えば、地球だって大きなコマなんですよね・・・。
地球は半径6400キロメートル、重さは6×10の24乗キログラムという巨大なコマ。日本に美しい四季があるのは、回転軸が変わらないコマの性質による。我々は、まさに巨大なコマの上で一生を過ごしている。
通常、コマは1秒間に30回転ほどの高速回転をしている。
全日本製造業コマ大戦のルールは、直径は2センチ以下で、高さは6センチ以下。これだけ。サイズの制限があるだけで、材質や重さ、形状はすべて自由。
そして、コマは片手の指で回します。勝負は、コマが倒れたら負け、コマが土俵の外に出たら負け。ただし、相手が存在するけんかゴマ。倒れにくいコマ、土俵のなかで倒れずに回り続けるコマが勝つ。
高すぎるコマは、重心が高くて回転が遅く、すぐに倒れてしまう。
低すぎるコマは回転の勢いが得られず、相手のコマに止められて倒れてしまう。
高さ1センチ以下のコマが生き残りやすい。
人間の手の動きの早さには限界があるので、太すぎる軸は高速で回せない。少し太いと感じるほどの5~7ミリの軸が良い。
軽量型コマには、決定的な弱点がある。常に相手のコマの回転方向の逆をとらないと勝てない。
逆回転するコマは、同じ回転速度になる。
軽量型コマが勝つ理由は、低速回転時の安定性による最後の粘りにある。より軽量で、かつ、より低重心である必要がある。
生卵をまわしても、中身が動くので重心が不安定なため、うまく回転しない。ゆで卵は、思いっきり高速で回転させると、自ら縦に立ち上がる。
回転によるジャイロ効果を利用したジャイロコンパスの発明によって、方角を正しく知ることができるようになった。小型化されたジャイロセンサーが、ケータイやドローンに搭載されている。
大きな世界の銀河系から、小さな世界のスピンまで、世の中には回転しているものや、回転に関係するもので、みちあふれている。すなわち、世界はコマからできていると言っても過言ではない。
私も小学生のころは、よくケンカゴマをしていました。ひょいと放りなげて、相手のコマの上に乗せるのです。どちらが長く回転するのかを競うゲームです。
面白いコマの世界を少しだけのぞいてみた気分に浸りました。
(2018年11月刊。1000円+税)

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