弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2018年11月23日

ねないこは わたし

人間


(霧山昴)
著者 せな けいこ 、 出版  文芸春秋

絵本。私は絵本が大好きです。ごく最近のものだと、『あらしのよるに』ですね。福岡で舞台劇になるといいます。ぜひ、みたいものなんですが・・・。古くは滝平二郎の『八郎』とか、かこさとしの『どろぼう学校』も良かったですね。子どもたちに一生けん命に読んでやりました。繰り返して読みましたので、すっかり暗記できるほどでしたが、それでも子どもたちは「読んで、読んで」とせがむのですよね。心地いい、ひとときでした。
そんな絵本のひとつが、この著者のものです。『ねないこ だれだ』、『いやだ いやだ』、『あーん あん』・・・。素朴な絵に心が惹きつけられました。
「おばけになって 飛んでいけ・・・」と言われたら、子どものなかには、「いいよ、飛んでいくよ」と答える子もいるとのこと。ええっ、おばけって怖くないのかしらん。一人じゃなくて、親と一緒なら、おばけなんか子どもは怖くないんです。
著者は「貼り絵」が得意です。なんだか身近な新聞紙などを無造作にちぎって並べて貼りつけているように見えますが、どうしてどうして、簡単なものではありません。この本を読むと、やはり基本はデッサン力だと痛感します。
『いやだ いやだ』の絵本。子どもはみんな、やがてこの時期に突入します。なんでも『いや』と言って、抵抗し、親を泣かせ、怒らせます。それでも子どもは「いやだ」と言って、したばたするのです。まさしく親の忍耐力が試されています。若い私はガマン力に欠けていましたので、ずいぶんと乱暴に対応してしまい、今では深く反省しています(時おそしなのですが・・・)。
楽しい絵本づくりの本でした。本当にありがとうございました。大変お世話になりました。これからもどうぞお元気に絵本を描いて世の中に送り出してください。孫に読んでやりますので・・・。
(2016年7月刊。1450円+税)

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