弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2018年6月28日

ルポ 地域再生

社会

(霧山昴)
著者 志子田 徹 、 出版  イースト新書

地域活性化に必要な人材として、日本には、「よそ者、若者、バカ者」というコトバがある。しがらみにとらわれず、自分たちの気づかない、地域の宝や財宝を発見してくれるのは、よそ者や若者の視点だ。やる前から、あれこれ考えて無理だと決めつけず、バカ者になって、とにかく何でもエネルギッシュにやってみる人が必要だ。
この本では、福岡県大牟田市も取りあげられています。三池炭鉱のあった大牟田市は、かつて21万人に近かった人口が半分の11万人になった。「明治日本」の世界遺産申請は「上からの」運動だった。そして、そこには「負の遺産」もあった。三池争議があり、炭じん爆発事故(死者458人)があった。さらに、そのもっと前には、中国人・朝鮮人の強制連行・強制就労そして、捕虜(フィリピンでのバターン死の行進の被害者)は収容所での虐待(収容所の所長は戦後に戦犯として絞首刑)もありました。
スペイン北部の人口19万人のサン・セバスチャン市は世界の美食家たちをひきつけている。居酒屋「バル」のはしごをするのだ。
うむむ、これは私も行ってみたいです。でも、スペイン語は出来ません。フランス語なら、なんとか・・・、なんですけれど。
ここでは、1晩に5軒や6軒まわるのは当たり前のこと。好きな人なら10軒くらいはしごする。いやあ、いいですね、ぜひぜひ行ってみたいですね。ここに行った日本人の体験記を読んでみたいです。誰か紹介してください。
そのアイデアを提唱したシェフは、秘伝のレシピを互いに教えあうようにすすめた。これがあたったようです。やはり、自分だけ良かれではダメなのです。他の人が良くて、自分もいいという精神ですね・・・。このサン・セバスチャンは、1年間に宿泊客だけで100万人。三ツ星レストランもあるけれど、好きな店(バル)を食べ歩きできるのが何よりの魅力なのです。
スウェーデンには、8階建てのマンションが、すべて木で出来ているものがある。すでに6棟、200戸がつくられた。土台こそコンクリートだけど、それ以外は、みな木造。長崎のハウステンボスの「変なホテル」の2階建ても、九州産の木材によるもの。岡山県真庭市の3階建の市営住宅も木造だ。木材といっても集成材にすると、強度はすごいのですね。
熊本県小国(おぐに)町の「わいた地熱発電所」は、日本で初めての住民が主体となって造った発電所。
地域の活性化のためには、知恵と連帯の力を集めるべく、いろいろ工夫が必要だということのようです。
(2018年2月刊。861円+税)

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