弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2017年12月18日

子どもの才能を最大限伸ばす子育て

人間


(霧山昴)
著者  佐藤 亮子、内村 周子 、 出版  ポプラ社

 子ども4人(息子3人と娘)全員を東大理Ⅲに合格させたママと、体操金メダリストの母が対談している本です。
自分が「やる」と決めたことはあきらめずにやり切り、目標を達成し、自己肯定感の高い子どもを育てようとする母親の姿勢が二人に共通している。
子育てに「これが正解」というのはない。子どもには一人ひとり違った個性があり、それは母親だって同じこと。
肩の力を抜いて、自分流の子育てをしていくと、子育てって、とっても楽しくなる。自分は自分だと自信をもって言おう。
小さい子どもがピーナッツの誤飲によって窒息するという事故を知って、一切の「柿ピー」を置かなくなった。ボタン電池も完全撤去する。これは親の責任。
男は背中で語るなんて思ったらいけない。子どもには、ちゃんと向かいあって、言葉でコミュニケーションをとることが大切。
母親業は女優業、家庭は舞台と思うこと。ついカッとなって子どもに変なことを言わないように、あらかじめリハーサルをしておく。事前にセリフを用意していないときには、まずセリフを頭の中で考え、ワンクッションおいてから口にする。子どもの人格を否定していないか、やる気をそぐことはないか、プライドを傷つけないか、そして感情的になっていないか・・・。
この思考・発語パターンは私にぴったりです。言う前にあれこれを考えるのです。ところが、これは語学の勉強ではマイナスになります。一歩、出遅れてしまうのです。語学は話しながら考えなくてはいけませんので・・・。
子どもを叱るときは、怒らないで、なぜ、それをしてはいけないのか、論理的に説明する。これは、答えを丸覚えさせるのではなく、自分の頭で考える機会を増やすことにつながる。
母親が一番に考えるべきは、どうしたら子どもが毎日を機嫌よく過ごせるか、だ。うむむ、私はそんな子育てを考えたことがありませんでした。もちろん、のびのび育てようとは思っていたのですが・・・。
必要なのは英語力よりも日本語力。ペラペラな英語力ではない、思考力こそが大切。日本語力なくして英語力なし。日本語がままならないうちに英語を教えても、思考が分散してしまうだけ。これも私はまったく同感です。
小さいときから、親からほめられて育つと、本番にも強くなる。
さすが、さすがと思わせる子育てのウンチクが惜し気なく披瀝されている、明るく元気の出る本でした。これも佐藤弁護士からいただきました。ありがとうございます。子育てに悩んでいる人はぜひ読んでみて、すっきりしてほしいと思いました。
(2017年10月刊。1500円+税)

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