弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2017年7月 3日

すっきりした朝に変わる睡眠の本

人間


(霧山昴)
著者 梶本 修身 、 出版  PHP研究所

世の中には眠れないと訴える人が本当に多いと思います。私の場合には、夜7時以降にコーヒーかお茶を飲むと眠れません。
ぐっすり眠って、さわやかな目覚めというのは最高ですよね。この本は、睡眠の目的は前日までの疲れを完全に消し去ることにあるとし、そのため、朝、すっきり目覚めるためには、どうしたらよいかを具体的に解説しています。
睡眠は量より質が大切。必要十分な睡眠時間は、個々人の睡眠の質によって異なる。
脳にある自律神経中枢の細胞で活性酸素が発生し、酸化がおこることで疲労が生じる。
いびきは、自律神経の中枢を回復させる唯一のチャンスを奪う。
日本人の睡眠時間は年々、短縮していて、2010年は、平均して7時間14分。1960年の8時間13分と比較すると、50年間で1時間も短縮している。日本は先進国のなかで一、二位を争う睡眠時間の短い国だ。
寝始めの3時間に、成長ホルモンが多く分泌されるから、この3時間が重要なのだ。
6時間睡眠が10日間続くと、徹夜明けと同じ程度にまで認知機能が落ちる。
決まった時間に起きることが大切。ヒトは起きた時間によって、ほぼ眠くなる時間が決まる。
目を覚ましたあと、太陽の光をしっかり浴びると、眠気が吹き飛ぶだけでなく、夜もぐっすり眠れることにつながる。太陽光は、屋内の照明より数倍から数十倍も強い。時間的には数分間でもよい。
昼寝は20分以内にとどめる。それ以上寝ると、深い睡眠に入ってしまい、目覚めたときに強い眠気を感じることになる。昼寝する前にカフェインをとるとよい。カフェインの効果があらわれるまでに20分以上かかるから。
眠気を感じるまではベッドに入らない。眠れないときには、ベッドから出るのがよい。
寝室は真っ暗でなく、人がいるかどうかは分かるけれど、誰がいるかは認識できないくらいの暗さが理想。
寝返りできる布団がいい。
とても分かりやすく、実践的な睡眠の本です。
(2017年5月刊。1400円+税)

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