弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年2月23日

弁護士 21のルール

司法


(霧山昴)

著者 東弁、親和全期会 、 出版  第一法規

 若手弁護士が、こんなところでつまずかないようにという先輩弁護士からの具体的なアドバイスが満載の本です。
 エレベーターで依頼者と一緒になったとき、ボタンを押すなというのは、あまり私にはピンと来ませんでしたが、服装には気をつけたほうがいいというのは同感です。ジーパンにTシャツで高額の着手金はいただけません。やはり背広(スーツ)でびしっと決めてこそ、何十万円、何百万円という大金をいただけるのです。
 そして、「先生」と呼ばれて「安住」するのも良くはありません。飲みにケーションは大切ですが、私のように60歳すぎたら、それもほどほどにしたくなります(私は50歳になってから二次会に行くのは止めました)。
 事務所に和やかな雰囲気が流れるような配慮は大切です。ああ、行きたくないなと思うのは最悪です。ブルーマンデーはありませんが、そんなのはストレスの源です。私は幸いにして、この40年間、「今日は事務所に行きたくないな」と思ったことが一度もありません。
 弁護士同士では、適度な距離感を保つ必要があるというのは、まったく同感です。一緒にいて、くたびれない関係こそが長続きする秘訣のように思います。
 事務局にとって、弁護士との食事は、残業代のつかない仕事の延長と考えている可能性があることを弁護士は自覚すべきだ。これには、なるほどだと思いました。
 事務局とのコミュニケーションが円滑かどうかは、弁護士にとって死活的に重要です。弁護士が判断して仕事を事務局に依頼することが大切です。そして、迎合してはいけません。人間としては対等ですが、仕事上は事務局はあくまでも補助者なのです。
 依頼者は友達ではないので、気を許して、内緒話などなんでも話していいわけではない。
そうなんですよね。あとで裏切られることもないわけではありませんので・・・。
弁護士とはなるべく交流すること、幹事は自らすすんでなること、というのは大切なことです。弁護士からの事件紹介って、意外にも多いものなんです・・・。
 本は買って読むこと。私は、持てるだけ(買って帰るときに、重たくなりすぎないように)本は買うようにしています。本を買うだけの収入は得ているからです。本を買うのに、お金の点でケチケチはしないようにしています。
 そして、新しい人間関係を今さら開拓する気は薄くなりました。それより、これまでの人間関係を大切にしたいと思います。
 2500円ですので、安くはありませんが、決して高いことはない本として、若手弁護士には一読を強くおすすめします。
(2016年1月刊。2500円+税)

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