弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年1月 4日

リベンジ・ポルノ

司法

(霧山昴)
著者  渡辺 真由子 、 出版  弘文堂

 リベンジポルノとは、恋人や配偶者と別れた腹いせに、交際中に撮影した相手の性的画像や動画をインターネット上に公開し、拡散する行為。
 このようなリベンジ・ポルノは、実は昔からあった。30年前に女優の裸体写真が出まわった。性的な内容を撮影したいという欲求は、もともと多くの人が内に秘めている。その実現を可能にする道具を与えられたとき、欲求は開花する。
 ネットに載せた画像には、他人にも「保存」が可能だという特徴がある。
 日本よりアメリカで、このリベンジポルノによる被害は先行している。
女子高校生にとって、恋人と性交する関係に至ることは、「同級生より一歩先に大人になった」ことを意味する。そのような自分を自慢したい心理が働く。
 自分に自信のない女の子は、良い評価がほしいから、自分からわざと、そそるような画像を撮ってしまう。恋愛まっただなかの少女たちは、後先を考える余裕がない。いつか別れるかもとか、先のリスクは自分のこととして考えられない。
 10代の少女の恋愛は、あくまでもピュアなのだ。もっと好きになってほしい。浮気や自慰を防止したいという理由で少女たちは撮影に応じている。相手が自分を裏切るはずはないと信じるから撮影に応じる。
 リベンジポルノが発生したとき、撮らせた側は、まさに被害者である。
 撮らせたあなたが悪いときめつけたら、被害者として名乗り出ようとは思わなくなる。加害者が顔見知りであることが多いのも、周囲に相談できない理由の一つになっている。
 ガラケーをもち、スマホに縁のない私ですので、リベンジポルノの世界にも無縁なのですが、小さいころからスマホに慣れ親しんでいるという社会環境も、この問題の背景にあることがよく分る本でもありました。
 被害者に非はなく、被害者が責められる社会はおかしい。私もそう思います。もっと、深く考えるべきなのですよね・・・。

(2015年11月刊。1300円+税)

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