弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2015年5月 5日

ふくおか古墳日和

日本史(古代史)

(霧山昴)
著者  吉村 靖徳 、 出版  海鳥社

 福岡県内に、こんなにたくさんの古墳があるなんて、ちっとも知りませんでした。
 県内各地の古墳が素晴らしい写真とともに紹介されています。今度の日曜日、いい天気だったら出かけてみようかな、そう思わせるだけある、青空の下の古墳たちです。
 八女古墳群に現存している岩戸山古墳は、筑紫君(つくしのきみ)の磐井(いわい)が埋葬されている古墳とされています。阿蘇山の噴火でできた凝灰(ぎょうかい)岩を丸彫りした人物や武具がたくさん見つかっているのです。
 6世紀半ばに大和朝廷の派遣した朝廷軍の磐井は敗れたのですが、そのとき根絶やしされたのではなく、その後も、筑紫君は八女丘陵に大規模な前方後円墳を築き続けた。
 武装石人、武人埴輪、力士壁画、力士埴輪などが残されているのにも、心が惹かれます。八女には巫女(みこ)埴輪もあります。
 春夏秋冬、四季の風情とともに古墳が写真で紹介されています。
 いま、九州は西のはてにある。昔は、関西よりも表玄関として文化発祥の地だった。そのことを実感させてくれる写真集でもあります。
 ぜひ、一度手にとって眺めてみてください。
(2012年12月刊。1800円+税)

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