弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年2月10日

金持ち脳と貧乏脳


著者  茂木 健一郎 、 出版  総合法令出版

 この本を読んで、金もうけのヒントでも得ようかと思う人にとっては、その期待は裏切られます。脳科学者が金もうけのヒントを与えてくれるはずがありません。そうではなくて、人生を豊かなものにしたい、意義のある人生をまっとうしたいと思う人にとっては、役立つヒントが満載の本なのです。
 金持ち脳を持っている人は、夢中になれる好きなことを仕事にしているので、たとえ辛い場面に遭遇しても、我慢という感覚はない。これに対して、貧乏脳は何よりも自己欲求を満たすことで満足してしまう脳。
お金持ちになった人は、数多くの修羅場やリスクを経験しつつ、ピンチをチャンスに変えてきた人たち。リスクテイクに優れている。
 人間関係におけるネットワーク、信頼、そして自分のスキル、知識、経験、そういうものが総合的に脳の安全基地となって、確実性が生まれる。
 自信がないお金持ちほど、お金を使う傾向にある。お金を払うと、「お客様は神様です」とあがめてくれるから。
借金する立場は、お金を借りた人に支配されることになる。そうなんです。だから、私は、借金したくないし、他人に借りをつくりたくありません。いつだって、自由、フリーでいたいのです。
 経験以外に人間が持ち運べるものはいない。だからこそ、若いうちのお金は経験という経済活動に使うべきなのです。
 お金と幸せは必ずしも一致しない。人間の幸せや人生観というのは複雑系なので、お金では測れないもの。人間の本質的な幸せというのは、お金によって得られるものではないことを理解するためには、ある程度経験しないといけない。
 お金は、人間関係を目に見えるようにしたもの。人間関係が充実している人には、お金も集まってくる。お金を貯めるのと同じくらいに、人間関係や自己投資にお金を使うことが大切だ。
 仕事の満足は、決してお金で買えるものではない。仕事の面白さ、やりがいは、自分で決めるもの。
私は弁護士になれて本当に良かったと思っています。受験時代は苦しい日々でしたが、人助けをして、喜んでもらって、お礼を言われて、お金までもらえるのです。こんなに充実感の味わえる職業は滅多にありません。もちろん、すべてがうまくいくとは限りません。でも、一生けん命にやっていれば、いつかはなんとかなるものです。
(2014年1月刊。1300円+税)

 東京は大雪で大変だったようですが、私のところはこの冬はまだ雪が降っていません。それでも寒い日が続いています。
 庭から小鳥の澄み切った流れるようなさえずりが聞こえてきました。声のするほうを見ても姿は見えません。名前も知りませんが、春先になると聞こえてくる小鳥の声です。とうとう春告げ鳥がやって来たのでした。
 庭の紅梅や白梅が咲いています。黄水仙も咲きはじめました。チューリップの芽があちこちに顔を出しています。
 もうすぐ春になります。うれしいことです。

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