弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2013年9月 4日

ビッグデータの衝撃

社会

著者  城田 真琴 、 出版  東洋経済新報社

インターネットの世界は、いつのまにか、こんなことも出来るようになったのですね。要するに、すべてはビジネス・チャンスに変えられるというわけです。
 実はもう一つ、すべての個人を監視できる体制がつくられたというわけでもあります。
 グーグルは、月に900億回というウェブ検索のために、毎月、600ペタバイトのデータ量を処理している。この分析対象は、グーグルの多種サービスを利用するユーザーのありとあらゆるデータだ。
 データ分析を軸にしたサービス分析を軸にしたサービス設計が功を奏し、アマゾンは年間売上480億ドル(3兆8000億円)を稼ぎ出す(2011年度)までの巨大企業に成長した。
 テラは10の12乗、ベタは10の15乗、エクサは10の18乗。エクサバイトのレベルがビッグデータと呼ぶにふさわしいデータ量だ。
 監視カメラを利用して、買い物客の店内での行動をモニタリングして分析する試みがある。モンブランは、これまで経験を直感で商品の陳列場所を決めてきたが、監視カメラのデータを分析し、顧客の目にもっともとまりやすい場所に一番の売れ筋商品を稼働させたところ、売上が20%も増加した。
ハドゥープとは、オープンソースとして公開されている大規模データの分散処理技術である。
 ハドゥープの大きなメリットは、これまでコスト面、処理時間の面で、あきらめざるをえなかった膨大な量の非構造化データの処理を可能にした点にある。これまではサンプルデータに頼っていたデータ分析から、関連する全データを対象として分析ができるようになった。
 インターネット・オークション会社のイーベイは、世界最大のネットオークション会社である。全世界で2奥7000万人もの登録会員がいる。1日に売買されるMP3プレイヤーは3600台以上、ダイヤモンドリングは2分に1個、自動車も1分に1台が売買されている。
 フェイスブック上で展開されるソーシャルゲームで人気ランキングの上位を独占するゲーム開発会社がジンガ。ゲームで遊ぶ95%のプレイヤーは、たった5セントのお金も使わない。しかし、残る5%の熱心なファンがジンガの年間11億ドルという売上を支える。
 ユーザー2億人の5%、1000万人が5ドルのバーチャルグッズを購入すれば、5000万ドル(40億円)の売上になる。ジンガの副会長は、「我々は、ゲーム会社の皮をかぶった分析会社だ」という。
 スーパーでは、顧客の購買履歴データがあると、一定期間の累計買い物金額に応じて顧客のランク分析をして、ランクに応じた得点を付与する。たとえば、ある週の累計買い物額が1万円以上の顧客には、2日間限定の5%割引クーポン、2万円以上の顧客には5日間限定の5%割引クーポンといった具合だ。これによって、顧客の購買意欲を刺激し、購買金額のアップを狙うことができる。
 日本のマクドナルドは、会員制モバイルサイト「トクするケータイサイト」などで、顧客一人ひとりの購買履歴を詳細に分析し、購買パターンに応じて、一人ひとり内容の異なる割引クーポンをケータイ電話に配信している。
 日本マクドナルドは、300億円を投じて、2600万人の顧客情報を蓄積し分析するシステムを構築した。
 たとえば、一定期間、来店していない顧客に対しては、従来よく購入していたハンバーガーなどを割り引くクーポン。来店頻度は高いが、新発売のハンバーガーを購入していない顧客に対しては、新発売のハンバーガーを大幅に割り引くクーポンなど・・・。
 ビッグデータを分析すると、スキー場やゴルフ場の従業員なのか、客なのか判明する。
 ケータイ電話会社にとって、優良顧客が離反しそうなことが事前に予測できたら、「割引キャンペーン」「ポイント2倍付与」など、解約を防止する手を打てる。
 とっても便利なスマホ(ケータイ)の利用は、このようにして管理されていくのですね。だから私は、今でもなんでも手書き派なのです。
(2013年6月刊。1800円+税)

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