弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2013年8月26日

生き物

著者  ソーア・ハンソン 、 出版  白揚社

地上には4000億羽の鳥がいる。これは、人間の50倍、犬の1000倍、ゾウの50万倍。マクドナルドのハンバーガーの総売上数の4倍。
 羽は進化の大傑作だ。羽の形態は多様性がきわめて高い。鉛筆の先よりも短いヒゲのような羽から10メートルをこえる日本のオオガドリの繁殖羽まで、長さの変異も大きい。
羽は隠蔽機能も備えている。水を蓄えることも、はじくこともできる。これまでに発見された断熱材の中では、羽がもっとも軽く、もっとも効率がよい。
羽の興味深いところは、成長してきたということ。真っ赤に解けた鉄を型に流し込んでつくった弾丸のように、一瞬にしてできあがったものではない。
 生命が誕生して以来、羽ほど複雑な構造をした外皮は他に例を見ない。
 鳥類と恐竜が類縁関係にあるのは誰もが認めていること。鳥類は祖竜から進化したという説が有力だ。
 ケラチンは強度を高める働きをするタンパク質である。その長い分子は、サイの皮からカメの甲羅まで、さまざまな外皮を分厚くする大きな繊維網を形成する。爪、鱗、蹄、釣爪、角、髪の毛と同じように、羽にも、このケラチンが大量に含まれている。
 鳥は換羽といって、半年から1年に1度、羽を新しくする。太陽光線、雨、飛翔中に生じる空気の摩擦などが羽に損傷を与えるので、ケラチンで裏打ちされた丈夫な羽であっても、新しい羽と交換しなければいけない。
 風切羽は換羽が一度に起きると、飛翔に支障をきたすおそれがあるので、互いに換羽が重ならないように時期をずらす必要がある。一般的に、風切羽の換羽は、内側から外側(翼の付根に一番近い風切)に向かって、順に進む。
 防水性の正羽に覆われた綿羽は、皮膚の近くに乾いた暖かい空気を大量に閉じ込めるので、厳しい寒さの中でも暮らしていける。キクイタダキの羽衣の内側と外気の温度差は実に78度に及ぶこともある。
 鳥は基本的に視覚に頼る生き物で、羽の季節ごとの変化によって、配偶者候補の品定めをする。
 ツバメのメスは、尾羽の長いオスを配偶相手として選ぶ。尾羽の長いオスは、寄生虫の数が著しく少ない。ツバメでは、長い尾羽は、壮健さを示す、信頼できる指標になっている。
鳥と羽について、いろいろ知ることのできる本でした。昔、わが家でもジュウシマツを飼っていました。そのころは大変ブームで、あちこちの玄関先に鳥かごを見かけました。今は、あまり見かけませんね。なぜでしょうか。小鳥を飼ってみると、その大変さがよく分かります。子どもにとっては、いい情操教育になると思うのですが・・・。
(2013年5月刊。2600円+税)
 夜、寝る前にベランダに出て望遠鏡で月の素顔を見ます。火照った身体を冷ましながら、月世界に思いを馳せるのです。
 身体の赤い斑点はなかなか消えません。薬(軟こう)のおかげで痒みはなくなりました。ダニ退治のため、バルサンを焚くなど、大変でした。
 それにしても、昼間のうだる暑さはたまりませんね。早く、もう少し涼しくなってほしいものです。

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