弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2013年5月 7日

つながりの進化生物学

生き物

著者  岡ノ谷 一夫 、 出版  朝日出版社

ユーチューブで、ギバタンというオウムが音楽にあわせて足と頭でリズムをとって踊る様子を見ました。まさに圧巻でした。なんかの間違いではないのかと目を疑いました。音楽にあわせて本当に踊っているのです。これって、CGかしらんと疑ってしまいましたが、あくまで実写フィルムです。ぜひ、見てください。オウム、スノーボールと入力して検索すれば見ることができます。
人間が環境を認知するときに使われる五感の割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1%。聴覚は危険の検出のために生まれた感覚である。人間の安心感には超音波の存在が大事。人間の赤ちゃんは触覚を中心に世界を認識している。
 ジュウシマツのオスは、メスに一生けん命に歌いかけてアピールし、ご機嫌をうかがう。ジュウシマツは、ペットとして飼われているうちに、より効果的にメスにアピールするため歌えるように進化していった。
大人のジュウシマツは、みんなに聞こえるように踊りながら歌う。子どものジュウシマツは、あまり人に聞かれないように、小さな声で自信なさそうに歌う。息子のジュウシマツは、父親が歌いだすと、近くに寄ってきて、一生けん命に歌をきく。このように、ジュウシマツが歌うには、学習が必要である。
子どものジュウシマツは、お父さんの歌だけじゃなくて、まわりのオスのいろんな歌の一部を切りとって、それを組みあわせて新しい歌をつくり出している。
世界には6000の言語があるが、人間の使う言葉は基本的に1種類で、あとは全部が方言だと考えていい。
 人類が12万年前にアフリカから出たころ言葉は生まれた。文字が出来たのは、1万年前のこと。10万年前に言葉ができたとすると、1世代20年として5000世代。そして文字が出来たのが1万年前だとすると、まだ500世代しかたっていない。
言語は、発音という外にあらわれる部分だけでなく、心の中での概念の組み立てをつかさどる。この部分がないと、人間の言語のような構造は誕生しない。人間の言葉には文法がある。
スズメは、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」としゃべることができる。発声学習する鳥は、ハチドリ目、スズメ目、オウム目の3つに属する鳥たち。
ええっ、スズメが話せるなんて・・・。
歌をうたっていた人間の祖先は、だんだん言葉をもつようになっていった。
いろんな生き物と対比させながら人間を考えてみると、人間とはどんな存在なのかがよく分かってきます。
(2013年3月刊。1500円+税)

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