弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2012年9月18日

恐竜時代Ⅰ

恐竜

著者   小林 快次 、 出版   岩波ジュニア新書  

 恐竜についての最新の研究成果が、さすがに子ども向けらしく、とても分かりやすく解説されています。大人にとっても十二分に役立つ内容です。
過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい。
 鳥は恐竜である。鳥類は恐竜類から進化したと言うと間違いだ。正しくは、鳥類は、中世代の恐竜類から進化したと言うべき。
 始祖鳥は、空を飛んで生活していた。体の軽量化に成功していた。しかし、始祖鳥は、いまの鳥類のように翼をバサバサと羽ばたかせて空を飛んでいたとは考えられない。始祖鳥の胸筋は、現在の鳥類のようには発達していなかった。そこで、始祖鳥は、鋭い爪をつかって木に登り、十分な高さまで登って、そこから滑空していたのだろう。うひゃあ、これって八王子の高尾山の神社に住むモモンガそっくりじゃありませんか・・・。
 1億7000万年のあいだ、地球を支配していた恐竜はすぐれた生命体だった。身体の構造は複雑であり、ちみつな設計により成り立っていた。ところが、今から6550万年前に忽然と地球上から姿を消した。もちろん、鳥類を除いて・・・。
恐竜の足跡化石にも、大きな利点がある。まず、数が多い。そして、歩くスピード体重、行動について証拠を残している。
 恐竜の起源から繁栄のはじまりまでの化石記録がもっともよく残っているのは、アルゼンチンのイスチグアラスト州立公園である。
 恐竜も子育てしていた。子育てという行動を確立することによって、恐竜の繁殖能力は、ほかの動物よりもすぐれていた。そうやって、恐竜は大繁栄し、全大陸を制覇できた。
 恐竜の一部が巨大化したのは、天敵がいたため。身を守るには体を大きくすることしかなかった。長い首は、食べるものを集めるのに役立ち、体温調節にも役立つ。長い首をもつことで、体を動かさなくても首を左右に振るだけで、たくさんの餌にありつける。細長い首と尻尾はラジエーターのような役割、つまり、体にこもった熱をそこから逃すことを可能にした。
 本書の前半部分では、大変な苦労をしながら、恐竜化石を求めて世界を歩いている実情が語られています。こんな学者がいるから、恐竜について少しずつ分かっているのですね。本当にお疲れさまだと思いました。
(2012年6月刊。940円+税)

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